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東京都民、公約をひとつも実現しなかった「女帝」を選ぶファインプレー

小池百合子さんの国政進出の踏み台にされる都民に真のマゾの姿を見た

2020/07/09
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小池さん特有のサイコパス的な言動から感じ取れるナチュラルな上昇志向

 何より、東京オリンピック・パラリンピックの開催の是非については、東京都民は正直コロナ騒動もあって熱が冷めている状態で、6月30日の電話調査では、開催すべきが33%、中止すべきが37%、再延期が21%と、概ねどうでも良くなっていました。ところが、7月5日の出口調査の結果では開催すべきが27%、中止すべきが36%、さらに延期すべきが17%と、投票所に行く都民の意識はさらにオリンピックに対してどうでもよくなっています。コロナまでは、東京都政においてオリンピック開催の意志決定から小池さんが外されてる実態が報じられて、ホスト都市なのに存在感がまるでなかった状態だったのですが、本当にコロナに助けられたな小池さん、と思うわけです。東京アラートとかほんと何だったんだよ。

 おそらくは、小池百合子さんは都知事職を踏み台にして良きところで再び国政進出を狙っていくことでしょう。都知事で政治家としてのキャリアを終えて良しとする女性ではないというのは、石井妙子さんの『女帝』を通読していても感じ取れるものですし、小池さん特有のサイコパス的な言動からナチュラルな上昇志向は感じ取れます。

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都民は小池さんを国政に笑顔で送り出せるのでしょうか

 本来であれば、東京オリンピックがあろうがなかろうが、日本が誇る首都であり国際都市・東京の50年後、100年後を考えたグランドデザインを議論し、交通から暮らし、防災、出産育児から教育、そして労働や高齢者向けの社会保障という都民のための「知恵出し」を都知事として先導しなければいけないはずなんですけどね。

 たぶん、小池さんには興味がないんですよ。でも、本来の政治というのはそういう目立たないけど重要な議論の積み重ねを行い、国民都民にしっかりと論点を提示し、将来を指し示し、いざというときの備えと暮らしの安寧を実現することが一番重要だと思うんですけれども。

 ポスト安倍ちゃんで国が揺れるとき、果たして都民は笑顔で小池さんの自民党への帰還と国政進出を見送ることができるのでしょうか。

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