長年、事故物件の情報を集めていると、「死を引き寄せる物件」の特徴が見えてくることがあります。前回は、住人の目が届かない“死角”において、予期せぬ死亡事故が起きた物件をご紹介しました。

 今回は「立地」と「土地の使い方」に注目して、事故物件になりやすい、さらなる“不幸なパターン”についてお話ししましょう。(全2回の2回目/前編から続く

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民家の庭で車が爆発し、運転手が死亡

 よく愛知県は「車の運転マナーが悪い」と言われます。実際、都道府県別の交通事故死亡者数では、一昨年まで16年連続で全国ワーストを記録していました。そのイメージ通り、事故物件に関しても、愛知県は車絡みのものが多く存在しています。

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 名古屋駅から車で30分ほどの場所にある住宅街には、5年ほど前に火事で人が亡くなった事故物件があります。しかし、これもただの火事ではありません。深夜、民家の庭に車が飛び込んできて、爆発・炎上。燃えさかる車内で、ドライバーの男性が亡くなってしまったという事故物件です。

 幸い、家の住人は無事でした。しかし、この一件を振り返るとき、「たまたま運転の荒いドライバーが家に突っ込んできただけ。こんなことは二度と起きないだろう」とは、とても言えない一面があるのです。

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「視界を遮るものがない」の危うさ

 それは、この家が建つ立地です。そこは2本の道路がL字に交わる、ちょうど角の部分に当たっています。ドライバーからすると、真っ直ぐな一本道を走っていたと思ったら、この家の前で突然道路が途切れ、90度左にカーブしなければならない……そんな立地になっているのです。

 実は、こうした“どん突き”にあたる土地は人気があります。目の前に視界を遮る建物がないため、「海が見える」「花火が見える」「富士山が見える」といった売り文句が並べられていたり、あるいは日当たりが良いこともあって、「ここに住んだら気持ちよさそう」などと期待して購入する人も多いようです。