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なぜ今? 空前絶後の1.35兆円「Go To キャンペーンでトクするのは誰?」7つのポイントを解説

2020/07/15
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(3)「宿泊のみ」で最大の還元を得るポイント

 ツアーのほうが宿泊よりも還元という観点でいえば有利だと書いたが、マイカーで旅行する人など、現地での宿泊のみでかまわないという人は少なくないだろう。Go To トラベルキャンペーンで宿泊の還元を得る場合、どのような利用の仕方が最も効率がよいのだろうか。

 宿泊での還元は1人1泊につき最大2万円が還元となる。1室ではなく“1名につき”という点に注意したい。1室2名の場合、1泊あたりの還元額を最大にできるのは1室2名で税・サービス料込み8万円。そのため、よほどの高級ホテルや旅館でないかぎり、半額還元となる。7泊すると56万円のうち28万円が還元される。1室3名の場合はさらに上限が高くなり、1室1泊につき12万円が上限となるので、日本最高級のホテルや旅館でも、もっとも安価な部屋であればほぼ対象になるといってよいだろう。

 また、ホテルや旅館が食事込みのプランであればその食事代も半額還元の対象となる。その意味では2名の場合、素泊まりよりも、「税・サービス料込み8万円で1泊2食つきのプラン」の方が利用価値が高い。館内にスパなどの施設がある場合も同様である。さらにGo To トラベルキャンペーンにあわせて宿泊施設では、さまざまなプランを出してくるだろう。クオカードなどの金券に近いものを付帯させるプランの出現も想定される。また、過去のふっこう割では、還元対象期間中に便乗値上げする宿泊施設の事例も見られた。その宿泊施設の相場が適切かどうかも精査しながら予約する必要が出てくるだろう。また、民泊もGo To トラベルキャンペーンの対象となる。家族旅行であれば宿泊可能人数が多い民泊のほうが割安のケースも出てきそうだ。

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 なお、「Go Toトラベルキャンペーン」の対象となる宿泊施設は、受け付けに仕切り板をつける・宿泊者に検温を義務づける・風呂や食堂などで人数制限や時間制限をもうける・ビュッフェは個別提供するといった対策を行い、国土交通省のチェックを受けたところのみとなる(詳細は7月17日に発表予定)。そのため、対象となる宿泊施設が限られることも想定される。

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(4)「WEST EXPRESS 銀河」も半額還元?

 Go To トラベルキャンペーンは寝台列車やクルーズ船も対象となる。鉄道ファンであれば、寝台列車の扱いが気になるところだろう。ただし、現時点で日本に定期列車の寝台列車はサンライズ瀬戸・出雲のみである。この場合、寝台列車の座席である「ノビノビ座席」が対象となるかどうかは不明だが、一部の旅行会社で扱っているサンライズ瀬戸・出雲利用のツアーであれば、確実に半額還元となるだろう。

 鉄道ファンとしてはJR西日本が投入する新型車両「WEST EXPRESS 銀河」(運行開始日は未定)も気になる。こちらにはグリーン個室や簡易寝台(クシェット)もあるが、あくまで「座席」であって「寝台」ではない。しかし、「WEST EXPRESS 銀河」利用のツアー商品が登場すれば、半額還元となりそうだ。