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なぜ今? 空前絶後の1.35兆円「Go To キャンペーンでトクするのは誰?」7つのポイントを解説

2020/07/15
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(1)「50%還元」は9月から

 このキャンペーンは夏休みにあわせてスタートするが、最長2021年3月まで、約8カ月にわたって継続する。また、予算の規模も約1兆3500億円と、2016年に実施された九州ふっこう割(180億円)の75倍にあたる。もちろん日本全土が対象となるので対象者もはるかに多いが、すぐに利用しないとキャンペーンが終了してしまうと焦る必要はないだろう。現時点では新型コロナウイルスの感染者が再び多くなっていることから旅行について様子見をしようと考えている人も少なくないだろうが、感染者数や生活上の注意点など細かく変わる情報を見ながら判断したい。

ふっこう割りによる主な観光支援事業。今回の1兆3500億円の規模の大きさが分かる。事務委託費は1895億円と言われるが……

 ただし、このキャンペーンでは、旅行会社ごとや10分割ともいわれる地域ごとに予算が配分されることから、多くの人がアクセスするサイトや人気エリアから先に予算を消化してしまう可能性についても頭に入れておきたい。

 もう一点、地域共通クーポンの発行が9月以降になっている点も要注意である。ひらたくいうと地域共通クーポンの発行が開始されるまでは、半額還元ではなく、旅費の35%還元しか行われない。そのため、還元額を最大にしたいのであれば9月以降の旅行にしたほうがよいといえる。ちなみに地域共通クーポンは、旅行期間中のみ利用可能なので、それを次回以降の旅行に使用するということはできない。使用できるのは目的地とそれに隣接する都道府県となっている。

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(2)「パッケージツアー>フリーツアー>宿泊のみ」

 ツアーの場合、行き帰りの交通費も半額還元となるが、宿泊のみの場合は交通費が還元対象にならない。そのため、ツアーでの利用の方がトータルの還元率は高くなる。

 さらにツアーの金額に含まれていれば、すべて半額還元の対象となるので「色々なものがツアー料金に含まれているプラン」の利用価値が特に高いともいえる。

 たとえばオンライン予約サイト「トラベルコ」で表示された沖縄行きのツアーを例にとってみたい(2020年7 月上旬調べ)。

「9月上旬の沖縄6泊7日フリーツアーで羽田発那覇往復のJAL利用に期間中レンタカーとホテル6泊がついて総額41700円(阪急交通社)」※60日前までの予約が条件

 この商品の場合、41700円のうち、35%の14595円が旅費の還元対象となり、支払いは27105円。残り15%が地域共通クーポンだが、1000円未満は四捨五入となるので、6000円のクーポンを手にすることになる。この6000円分をすべて現地で使い切った場合、本来であればツアー代金41700円+現地での食事や買い物など6000円=47700円→27105円となるので、約43%旅費を節約できた計算となる。このツアーの場合、滞在中のレンタカー代もすべて含まれているのでこれも還元対象となる。

 交通機関+宿泊施設だけのいわゆる「フリーツアー」よりも、観光や3食などもすべてついたいわゆる「フルパッケージツアー」の方がすべての費用が還元対象となる分、ねらい目といえる。