2020年7月16日、赤羽一嘉国土交通大臣は、Go Toトラベルキャンペーンの対象から東京都を除外することを発表した。
東京都の除外とは具体的には以下の2つである。
(1)東京都を目的地とした旅行
(2)東京都に居住する人の旅行
(1)については、パッケージツアーであれば東京都が最終目的地となっている商品が該当する。目的地とは、宿泊施設が東京都内となっているものが想定される。かりに大阪発で千葉県浦安市の東京ディズニーリゾートを目的地とした場合、割引の対象となるだろう。その際、
川崎や市川が注目される?
宿泊施設については、純粋にその宿泊施設の住所が東京都であるか否かということが判断基準となる。そのため、神奈川県の川崎駅周辺や埼玉県の川口駅周辺、千葉県の市川駅や浦安駅周辺のホテルに宿泊するという方法を考える人が少なくないだろう。いずれも都心部まで直通の鉄道で20~30分、数百円程度で移動できるからだ。ちなみに今後かりに大阪府も対象外といったことになれば、兵庫県の尼崎や奈良県の生駒が同様の扱いを受ける可能性がある。
国内ツアーが最安値から順番にソートされる機能をもつトラベルコ(https://www.tour.ne.jp/j_tour/)で検索してみた(7月16日現在)。
大阪発10月3日(土)発の1泊2日(1室2名)のツアーの最安値は以下のとおりとなった。
柏(千葉県) 18400円 成田発着のジェットスター利用(アーク・スリー・インターナショナル)※ホテル・トリフィート柏の葉宿泊
川崎(神奈川県) 22200円 羽田発着のJAL・ANA利用(JTB)※川崎キングスカイフロント東急REIホテル宿泊
とりわけ川崎は羽田空港から近いうえ、横浜や鎌倉といった観光地へのアクセスも便利なことから注目度が高まる可能性がある。
東京都民以外の46道府県民は、東京都以外のすべての46道府県が割引の対象となるのだからあまり影響はないだろう。問題は(2)の東京都に居住する人の旅行である。なにしろ、東京都民は近場の神奈川県なども含めてすべての旅行が割引の対象外となってしまったのだ。これについてネット上では「我々から集めた税金を原資とするのにその還元が一切得られないというのはあまりにも不公平だ」といった意見も散見される。
かりにある旅館が1泊1名2食4万円と仮定する。同じ旅館の同じ部屋に泊まっても、神奈川県の人や千葉県の人や埼玉県の人はみな50%還元で実質2万円で泊まれるのに、東京都民だけは4万円まるまる負担しなければならないということになるのだ。47都道府県中46道府県に対して東京都民だけ2倍払えという言い方もできる(たとえば、東京都町田市民は目と鼻の先の川崎市民よりも旅費が“2倍高い”ということになる)。