Q 「俺、やっぱり一般人とは付き合えないわ」という言葉が忘れられません

 元彼に言われた、「俺、やっぱり一般人とは付き合えないわ」という言葉が忘れられません。

 すこし複雑な家庭環境もあり、彼は幼い頃から同年代と比べとても自立していて、周囲が憧れるような経験を沢山積んできた人です。仕事もでき、センスも良く、年上から可愛がられる、そんな彼をみんな一目おいて見ていました。そんな彼と付き合っている間、幸せを感じた瞬間も沢山あります。でも人の弱みを突いたり、損得勘定が上手すぎるが故の行動や言葉に傷つくことも沢山あり、笑顔だけは忘れたくないと明るく振舞っても、ただただ空回るばかりでした。

 別れることを決めたとき、彼から言われたのが冒頭の言葉です。

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 彼と復縁したいといった類の未練は全くないんです。でもこの言葉が、誰かと食事をしているとき、仕事をしているとき、買い物をしているときなど、今でもあらゆる場面で浮かんできます。彼に認められなかった自分のレベルは低いんだ。認められる自分でありたかったという気持ちがあるのかもしれませんが、それももう分かりません。

 一般人て、何なんでしょう。一般人じゃなくならないと、一生この言葉と生きていかなければいけない気がして、不安です。(20代・女性・古本屋)

A 元彼が勝手に決めた、一般人モノサシに当てはまらなかっただけです

 8月24日にボクは香川県高松市の男木島に行きました。気温は34度、湿度も高かったです。その島に行った理由は現代美術家の会田誠さんとのトークショーでした。なんか一般人ぽくない用事に聞こえませんか? 若干イヤミったらしい感じがしてきたかと思います。ボクは6月に書籍を出してからそういった予定がポツポツと入り始めたんです。有名人とトークショー。なんか相当イヤミっぽい響きですが、安心してください、これがボクの人生の中で期間限定の催しだということは分かって臨んでいます。

 会田さんとスタッフの皆さんと深夜、お客さんのいなくなった島の図書館でお酒を飲みました。その時に会田さんがポツリと言ったんですよ。「ボクらみたいな一般人がですね、」と。「おーい!」と突っ込もうかと思いましたがラムコークが効いていて、「あ、はい」なんて頷いて話の続きを聞いていました。他にも色々面白い話があった男木島の旅をもっと語りたいのですが、これが相談コーナーだということを思い出し、切り上げる事にします。

生きてる以上、あなたをこれからも誰かが計ってくるでしょう

 で、元彼の方から「俺、やっぱり一般人とは付き合えないわ」と言われた件ですが、もうだいぶ大丈夫な感じになってきてないでしょうか? ちなみに期間限定でトークショーなんかに呼ばれるボクは絶賛一般人気分で臨んでます。「うわ、会田誠だ」とか「こんな辺境の地までトークショーに来るお客さんの行動力を学びたいなぁ」とか真剣に感動したりしています。

 話がとっ散らかってきました。元彼のモノサシだと彼は普通じゃなく、あなたは普通でつまらないと言われてしまったような気がして、ガッカリしたんじゃないでしょうか? したんですよね。

 生きてる以上、あなたをこれからも誰かが計ってくるでしょう。いやモノサシじゃなくて分度器を使う人もいるでしょう。はたまた手触りを大切にする人も、心の重さをグラムで計る人もいるかもしれません。あなたもあなたの基準で何かを選び、生きていくんだと思います。元彼の基準がたまたまそれだっただけです。元彼が勝手に決めた、一般人モノサシに当てはまらなかっただけです。ただそれだけです。

 数ある人生相談の中で、ボクのこのコーナーにメールを頂いて嬉しいです。ボクは自分自身でなかなかこのコーナーいいじゃん!なんて思ってやっています。ボクのモノサシからすると、そこにメールをサクッと出してスッと採用されちゃうあなたは、かなりイケています。元彼に認めてほしいんです!と言われそうですが、ボクの判断も参考にして頂けると嬉しいです。

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