多くのファンに慕われ、将来が嘱望されていたなか、天国へと旅立っていった三浦春馬さん(享年30)。突然の訃報に日本中が悲しみに包まれている。三浦さんが演劇界の“師”として慕い、親交が深かったという俳優・佐藤浩市(59)も悲しみのなかにいる。知る人ぞ知る“師弟関係”だった。

佐藤浩市 ©文藝春秋

三浦さんが「忘れられない」と語った佐藤浩市の言葉

 2011年7月、21歳だった三浦さんはドラマ「陽はまた昇る」(テレビ朝日系)に警察学校の訓練生役で出演。同作で鬼教官役として主演したのが佐藤で、これが2人の出会いだった。4歳から子役として活動していた三浦さんだったが、現場を引っ張る佐藤の背中に心を揺さぶられたという。三浦さんは、2011年7月30日の「サンスポ」のインタビューで、佐藤のある言葉が忘れられないと語っている。

《「主演としての現場での立ち振る舞いなど、全部が勉強になっています」と瞳を輝かせて語るのは、佐藤のこと。初めて飲みに行った時、佐藤が語った言葉が忘れられないという。

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「映像作品は人の記憶に一時的にとどまるけど、忘れ去られていくものでもある。でも、これから先、人の記憶に残る役者になれたら最高だよな、いや、なろうぜ」》

ドラマ「陽はまた昇る」(テレビ朝日系) (公式サイトより)

 佐藤と三浦さんはこの後も親交を深め、2018年には前田哲監督の映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」で父子役として再び共演。完成披露試写会では横に並び、実の親子のように屈託のない笑顔で会話を交わしていた。

映画「こんな夜更けのバナナかよ」完成披露試写会 ©文藝春秋

「俺たちはお前を反面教師にして絶対に自死を選んではいけないと叫んでいく」

 訃報から4日――。佐藤が「文春オンライン」に追悼コメントを寄せた。佐藤浩市さんのコメントは以下の通り。

「初めて会った現場ではよく呑みにいったな。2年前、前田組で久しぶりに会った時は少しだけ大人になったと思ったのに……こんな親父より先に逝きやがって、悔しいよ本当に。でも今の状況を、皆が悲しんでいる姿を見て一番悔やんでいるのは春馬お前自身の筈だ、そうだろ。だから俺たちはお前を反面教師にして絶対に自死を選んではいけないと叫んでいく、いいよなそれで」

 いま、三浦さんに恩師の言葉は届いているだろうか。

三浦春馬 ©AFLO

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