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「急ぐべからず 自働車の如きも成るべく徐行すべし」

「これはどういう含意なのだろうと思うかもしれませんが、実はそのままの意味なのです。当時の祖父は車の運転が乱暴で、同乗した内村鑑三が恐怖を感じるほどで降車後、激怒したと伝えられています。ただ、少し怒り過ぎたと思ったのでしょう。その晩にお詫びのつもりで内村が書いて祖父に渡したのが『成功の秘訣』でした。しかしそこにもあえて、『成るべく徐行すべし』という言葉を入れた。いかに内村が祖父の乱暴な運転に閉口したかがわかります(笑)」

外資と戦うため、星野リゾートは変わった

 星野氏が星野リゾートの社長に就任したのは1991年。バブル景気が崩壊し、日本経済の長期低迷が始まる時期だ。それから星野氏は2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災と数々の「危機」に直面してきた。

「31歳で星野リゾートの社長に就任してから、私は社員に『私たちの競合は、(軽井沢の)万平ホテルでもプリンスホテルでもない。これからは外資のホテルが日本の観光地を狙ってくる』と言い続けました。

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 実際に94年にパークハイアット東京が新宿にオープンすると、東京や大阪に次々外資が進出。その波はリゾート地にも及びました。こうした波に負けないためには私たちもある程度、規模がないと戦えない。そこで、リゾート施設の再生事業や運営を始めたのです。今では国内外で42の施設を運営しています。

 このため、私の代で星野リゾートは大きく変わったといわれます。確かに変わったのは事実ですが、私が変えたというより、変わらざるを得ない時代の変化があったというのが正しい表現ではないかと思います」

需要がない中でいかに集客するか?

 だが、今回のコロナ禍は、これまでに経験したレベルを超える危機と言えそうだ。

「私がこの仕事を始めてから約30年の間に、バブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災などを経験してきました。こういう危機の時の資金繰り対策や需要がない中での集客の手法は、決して平時では学べない観光のノウハウであり、私と組織を大きく育ててくれました。

 コロナ危機にもそうした教訓はたくさん詰まっているはずです。この危機を乗り越えることができれば、スタッフは成長し、今後の強い自信につながると考えています」

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 では、具体的に観光業界がどうこの危機を乗り越えるべきか。コロナ禍でほぼゼロになったインバウンド(海外旅行者)の影響、自粛と緩和が繰り返される「コロナ禍」の観光需要で最も重視すべき旅行のスタイルなど、様々な提言がなされた。その全文(「活路は『安・近・短』にある」)は「文藝春秋」8月号と「文藝春秋digital」に掲載されている。

出典:「文藝春秋」8月号

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