昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/07/31

genre : ニュース, 政治

“いいね”も来ないけど批判も来ない

 投票しただけでなく、最近になってSNSでも桜井氏支持を公にしたが、反応は意外に薄いのだという。

「意外だったのが“いいね”も来ないけど、あんまり批判も来ないこと。政治関連の話題は触れたくないっていう感じのフォロワーが多いんです。中には反論してくる人もいましたけど、私は桜井さんの主張の方が納得できることが多かったですね。リアルの友達は、政治にはあんまり興味がないみたいで、意見を言っても『ふ~ん、そうなんだ』ってにごされることが多いです。選挙後に聞いた話だと、周りの子は結構、山本太郎に入れたみたいですけど」

写真はイメージ ©iStock.com

 接客業の真山奈々さん(仮名・30歳)も、過去の選挙で「投票しても意味がない」と感じていた一人だ。そんな意識が変わったのは、新型コロナの影響だったという。

「新型コロナの感染が広がりはじめた初期のころ、東京オリンピックや中国からの観光客などを巡る小池都知事の対応に違和感を覚えていました。ある時知り合いから、『あなたの意見は桜井誠に近いと思う』と言われたんです。調べてみるとニコ動のランキングで上位にランクインしていて、シンパシーを感じました」

 そのタイミングで、7月に都知事選があることを知ったという。

「今回の都知事選、面白くなかったですか? ポスターが並んでるだけで笑えるっていうか。若い人は、あれくらい面白くないと興味がわかないと思います。正直、当選するとは思ってなかったんですけど、桜井さんを支持していることを伝えたいっていうのが投票した理由かもしれません」

 今回話を聞いた3人に共通していたのは、これまで政治や選挙にほとんど関心を持っていなかったこと。コロナ禍や都知事選をきっかけに桜井氏の存在を知り、自ら候補者の主張を調べていく中で支持するようになったということだった。桜井氏の排外主義的な主張については、知っているもののあまり関心を持っていない様子だったことも印象に残る。

 前出の青井さんが語ったように、今回の都知事選で桜井氏は「都民税、固定資産税ゼロ」を主張していた。コロナ禍で生活が不安定になった人も多い中で、カネの話を大きく掲げたことも「普通の人たち」から支持を得ることにつながったといえるかもしれない。

 桜井氏は選挙ポスターではソフト戦略をとったが、配信動画などでは過激な言動を続ける候補者であったことは間違いない。ただその一方で、彼を支持する人が増えている現実も知っておくべきではないだろうか。

この記事の写真(4枚)

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー