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楽天の頼れる右腕、森原康平と石橋良太 チームに2人だけの同級生が語ったこと

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/07/25

 個人的な話になるが、自分は生年月日を覚えるのがわりと得意な方だ。特にプロ野球選手の生年月日と野球経歴となると興味深く、ラジオの実況中継においても欠かせないマイデータである。

「95年生まれの選手がイーグルスに一番多い!」とか、「マー君世代には前田健太選手や秋山翔吾選手、柳田悠岐選手とか凄い選手だらけ!」などと話している自分がいる。同学年に誰がいて、誰と誰が大学の同期など、選手同士の繋がりを知っていくと、これまた面白い。

91年生まれの同級生はチームに2人だけ

 今回注目したいのは1991年生まれの選手。なんと80人以上いる楽天イーグルスの選手の中で1991年生まれは2人だけ。社会人野球からともにドラフト5位で入団した頼れる右腕の2人をクローズアップしたい。

好きな野菜は「ブロッコリー」の石橋良太選手 ©RakutenEagles

 まずは1991年、大阪・堺市で生まれた石橋良太選手は2015年ドラフト5位指名でHondaから楽天イーグルスに入団した。

 2018年に一度は育成契約となったが、その年に再び支配下登録を掴み取った。昨シーズン、先発ローテーションとしてチーム2位タイの8勝を挙げた本格右腕だ。今週のオリックス戦でも5回3安打無失点5奪三振という結果を残し、ランナーを背負っても打者に向かっていくスタイルで素晴らしいピッチングを披露した。

 そんな石橋選手に今まで掛けられた言葉で胸に刻まれている「忘れられない言葉」について聞かせてもらった。「高校(明徳義塾)のときは辛いことばっかりでしたが、その時に母親から手紙がきて、『辛くなったら無で頑張ろう、無になろう』と書かれていました、その言葉ですね」と教えてくれた。

 そして、「自分は下手に頑張ろうとしても上手くいかないので」と続けた。

 高校1年生の頃から親元を離れ、自らも「思い出したくない」と振り返るくらい過酷な練習を乗り越え、2年、3年と連続で甲子園に出場する事ができた。その支えとなっていたのは、誰よりも石橋選手のことを知る、お母さまからの愛のあるメッセージだったに違いない。

 どんな辛い状況でも、一度「無」になって、冷静に自分を見るのだと話してくれた石橋選手。自分の向上心と向き合い、育成契約になっても這い上がってくる不屈の魂。そして相当な努力の裏側には、何が何でもプロの世界で腕を振りまくってやろうという決死の覚悟を強く感じる。

好きなおにぎりの具は「明太子」の森原康平選手 ©RakutenEagles