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杉谷拳士、渡邉諒……ファイターズ選手もハマる『梨泰院クラス』の魅力

文春野球コラム ペナントレース2020

2020/08/28
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 札幌ドームで渡邉諒選手の打席が来るたびに気持ちが奮い立つ。

 登場曲は本人がファンだという韓国ドラマ「梨泰院クラス」の挿入歌、Gahoの「はじまり」。その曲はドラマでは、主人公たちが力を合わせる場面や、成功に近づいているような場面で流れる。前向きに打席に入るにはぴったりの曲。このドラマはチームを描く。チームに所属する人、チームを応援する人、どちらにも響く。

ファイターズ選手もハマる「梨泰院クラス」

 韓国ドラマに明るくない人でも、ヒットしてるんだなという空気は感じていると思う。「梨泰院クラス」は、ソウルの中心部、国際色豊かな梨泰院(イテウォン)が舞台の、青春あり、親子愛あり、殺人あり、刑務所あり、復讐あり、居酒屋あり、ソシオパスあり、トランスジェンダーあり、そしてラブもあり、という新しいタイプの韓国ドラマ。

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 今年の春まで韓国で放送されていて、日本では動画配信サービス・Netflixで見ることが出来て、アクセスランキング上位を続けている。

 私もコロナ禍の自粛期間で「冬のソナタ」以来見ていなかった韓国ドラマに手を出し、はまってしまった一人、結構な数を見たけれど、やっぱりいまだに「梨泰院クラス」が一番だと思う。

 ヒットしただけにいろんな評価があるが、私がこのドラマで惹かれるのは貫かれているチームの力。主人公の青年、パク・セロイがとにかく魅力的だ。父親を殺され、それがきっかけで高校生にして刑務所に入ることになるが、諦めることなく先を見据えながら復讐と夢の実現を計画していく。そこに汚いことや裏切りはなく、間違ったことには目をそらさずセロイはいつだって正しい。

 特にいいのは、リーダーシップを取りながら決して頑固じゃないところ、周りの意見を聞く耳をきちんと持っていて、正しいと思えばすぐに取り入れる。そんなセロイに惹かれて仲間が増えていく。それぞれに問題を抱えた仲間たち、当然、ハプニングも起きるが、セロイは一度仲間になったら、とにかく信じ通す。出来なければ努力をすればいい、悪い部分があるなら悪いと認めて改善すればいい。みんな少しずつ足りないことがある、だからチーム 陰口は決してたたかずお互いを高め合っていく、それがチーム。

 仲間は絶対的に周りから守る、そして自分たちよりも大きな大きな敵に颯爽と立ち向かっていく。普段、チームで仕事をする人たちがこのドラマに引き込まれるのは当然のことに思う。

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