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2020/07/26

三浦春馬さん演じた「ジェシーが本当に素敵なんです」

 だが、「とくダネ!」で東出昌大が続けて放った言葉「ジェシーが本当に素敵なんです。『ジェシーってさすがだな』というセリフがあったんですけど、それを心の底から言えるジェシーだった」にはハッとさせられた。

長澤まさみ演じるダー子と三浦春馬さん演じるジェシー(【公式】『コンフィデンスマンJP』より)

 そう、『コンフィデンスマンJP』映画版シリーズは新作も前作もジェシーが本当に素敵なのだ。それは彼が亡くなった7月18日に地上波初放送された『ロマンス編』を観てこちらも確信したことだった。

2019年5月、映画『コンフィデンスマンJP ロマンス編』ワールドプレミアの壇上で笑顔を見せる(左から)小日向文世、長澤まさみ、東出昌大、竹内結子、三浦春馬。長澤は、「撮影初日に春馬くんと会ったときにまぶしくて。コンフィデンスマン史上、こんなまぶしい人がいただろうか。目が開けづらかったです」と語っていた。 ©︎時事通信社

前作『ロマンス編』好敵手として不足なし

 巧妙かつ大掛かりな嘘を重ねに重ねてターゲットをとことん信用させ、巨額の金品を騙し取っていく信用詐欺師=コンフィデンスマンのダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)。彼らは香港の裏社会を牛耳る女帝“氷姫”ことラン・リウが隠し持つダイヤ“パープルダイヤ”をいただこうと香港へ。

 公の場に姿を見せようとせず、その顔や素性を知る者は皆無に等しいラン・リウが占術に執心しているのを知ったダー子は百発百中の霊能者に扮して彼女に取り入ることに成功。虎視眈々とパープルダイヤを狙うなか、かつてダー子と恋人同士を装って共に詐欺を働くも本気で惚れてしまって痛い目に遭わされたらしいジェシーがラン・リウの邸宅に現れる。狙いは同じパープルダイヤかそれとも他にあるのか……ただでさえ悶々とするなかで恋愛詐欺の天才である彼がその手腕を発揮してラン・リウをよろめかせていくさまに、複雑な表情を見せるダー子。

ジェシー役・三浦春馬さん ©︎Imaginechina/時事通信フォト

 時に味方をし、時に邪魔をしてコンゲーム映画としての緊張感を上昇させるだけでなく、ダー子の知られざる過去を知り、そこを突いて翻弄し、ボクちゃんやリチャードには見せなかった顔を引き出してしまう存在のジェシーは、まさにスケールアップした映画版の好敵手として不足なし。

 そしてクセ者たちを転がしてきたはずのダー子を逆に転がしまくった果てにとことんやっつけられ、物語を観る者に破格の高揚感を与えてくれる彼がいたからこそ大成功した『ロマンス編』だったといえる(興行収入29.7億円)。ゆえに地上波放送冒頭のテロップ〈三浦春馬さんが本日お亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げますと共に、心からご冥福をお祈りいたします。〉が深く刺さって仕方がなかった。