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「店を潰してやる」「人殺し!」

「知り合いの方は心配してくださるのですが、面識のない方から厳しい言葉を浴びせられます。『もしうちの家族に何かあったら店を潰してやる』とか『人殺し!』とか、脅迫めいた電話がお店にかかってくる。検査で陰性だったアルバイトの従業員も昼の職場を不当に解雇されました。私をはじめ、スタッフや家族の写真がSNSで拡散され、Aさんと同じようにデマが拡散されています。私が東京にホスト遊びに行ったから感染したとか……。コロナより人の怖さを感じています。我々の感染対策は甘かったのかもしれません。ですが、それは緊急事態宣言が解除されて以降の浜松の街全体に言えることだと思います」

出回った店舗関連の感染情報 ©文藝春秋

「文春オンライン」特集班は6月に別件の取材で浜松市を訪ねたが、たしかに繁華街では多くの人がマスクを外し、至るところの店で酒宴が開かれ、街はコロナ禍以前の生活様式に戻っているようだった。だが、今回のクラスター発生が公表されて以降、ふたたび夜の街には閑古鳥が鳴くようになった。

野次馬がAさんの会社の写真を撮影しにくる

 一時は入院していたAさんだが、体調は回復し、すでに退院している。だが、今も外出できずにいるという。会社の扉は閉められ、明かりは消えている。近隣住民の証言。

「たまに(Aさんの)会社の前に車を停めては指さしたり、野次馬が(会社の)写真を撮ったり、心ない人がいるんです。私も近所に住んでいるだけなのに、コロナ患者の扱いをうけて、他の町内の人から『うつりたくないから近寄らないで』って言われたこともありました」

浜松駅 ©文藝春秋

 電話で取材を申し込むと、Aさんは怯えた様子を見せながらも心境を吐露した。