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おじさんとの初体験、好きな人との二人暮らし……あるゲイの青年の波瀾万丈な東京生活

失恋した女友達に「贅沢なんだよ。ぐちぐち言ってんじゃねえよ!」

 半年後。ハセは引っ越し先を見つけて家を出ていき、残された良輔は荒れた生活を送ります。

『僕が夫に出会うまで』第6話より。© 文藝春秋

 これまで、誰を好きになっても幸せになれなかった。部屋で一人、良輔は自分がゲイであることを認め、打ちひしがれます。

 その日、彼氏にフラれて大泣きしている友達・あさみに呼び出された良輔は、愚痴を聞いた後に、思わず「全然かわいそうじゃない」「僕からしたら、あさみは贅沢だよ」と言ってしまいます。

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『僕が夫に出会うまで』第6話より。© 文藝春秋

「彼氏と付き合えたじゃん。好きな人に好きって堂々と言えて、好きな人と一緒にいれたじゃん。好きな人とキスしてセックスしたじゃん! そんなの…全部贅沢だよ…! だって僕は…ハセが好きだったんだよ…」

 思いがけず心中を吐露してしまった良輔は、言った直後に後悔します。否定される。嫌われる。取り返しのつかないことをしてしまった……。

『僕が夫に出会うまで』第6話より。© 文藝春秋

 けれどあさみは「それは……辛かったよね」と良輔の気持ちを理解します。意図しないカミングアウトだったものの、良輔は友達から勇気を得て、それからの人生をゲイとして生きることになりました。

 9月更新予定の第7話では、初めてできた「彼氏」との出会いが描かれます。

 第1話~第6話を読むにはこちらから。原作も合わせてお楽しみください。

僕が夫に出会うまで (文春e-Books)

七崎 良輔

文藝春秋

2019年5月28日 発売

おじさんとの初体験、好きな人との二人暮らし……あるゲイの青年の波瀾万丈な東京生活

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