七崎良輔さんの人気エッセイ『僕が夫に出会うまで』のコミカライズが、「文春オンライン」で好評連載中です。更新する度にランキング上位に入る人気ぶりで、現在、第6話まで配信しています。

 幼い頃からセーラームーンが好きで、言動が「女の子っぽい」と周囲にからかわれてきた主人公・良輔。中学~高校で好きになった人はみんな同性で、 相手にも周囲にもそのことを隠したまま、進学のため上京します。学生時代のエピソードを読むにはこちら

 上京した良輔を待ち構えていたのは、想像以上にシビアな東京での新生活でした。

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初体験の相手は……出会い系サイトを通じて知り合ったいおじさんだった

 上京したての良輔は、ゲイ向けの出会い系サイトを知って驚愕。「男性を好きな男の人って日本に数人しかいないと思ってたけど……もしかして全国に百人くらいいるんじゃないか?」。

『僕が夫に出会うまで』第4話より。© 文藝春秋

 自分の悩みを共有できたら、と思い、意を決して一人の男性と会うことにします。待ち合わせ場所にやってきたのは、普通のサラリーマンっぽいおじさんでした。

『僕が夫に出会うまで』第4話より。© 文藝春秋

 おじさんの家に着くと、「彼氏はいたことないんですか?」「じゃあ、男の人のを触ったことはある?」と質問されます。おじさんの様子を見て、「この人、本当に男の人が好きなんだ……」と驚く良輔。結局、この日が良輔にとって「男性との初体験」の日になります。

 帰り道。おじさんの孤独な一人暮らしの様子を、良輔は未来の自分と重ねて「女の人を好きになろう、結婚して、子供をつくって、幸せな家庭を築くのだ」「僕はゲイじゃない……」と自分を否定してしまいます。