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 これでは、日本の温泉地を楽しみに来た外国人が何日も滞在したいと思うだろうか。また、日本人にも富裕層が増え、時間とカネに余裕のあるシニアが増えているが、こうした客が数日あるいは数週間にわたって滞在してこの地を楽しみ、多くのお金を落としていってくれるだろうか。

 たとえば温泉地の旅館はすべて宿泊オンリーにして、街の中心部に多種多様の温泉が楽しめるお風呂があり、食事は和食から洋食、ラーメンや居酒屋、バーがあって客が自由にその日の調子や好みで選択できる。こんな温泉地はないものか。宿泊オンリーならば旅館経営だってずいぶん楽になるはずだ。

リゾート地のホテルオーナーの嘆き

 先日訪ねた長野県白馬村のホテルオーナーの言葉が忘れられない。

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「ここにスキーにやってくる外国人の大好物はなんだか知ってる? お好み焼きなのよ。せっかく1階にフレンチレストランがあるのに誰も食べやしないわ」

 相変わらず、旅行は「ハレ」の場であって、一泊二食を中心とした「ごちそう」シリーズという古ぼけた方程式を使い続ける日本の旅館に明日はないのである。

新しい日本旅館のかたちを…… ©iStock.com