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ホークス選手から“呪いの絵”と言われ……それでも僕が似顔絵を描く理由

文春野球コラム ペナントレース2020

 まもなく終盤戦。ホークスは熾烈な首位争いの真っ只中。

 観客動員数の規制が緩和されPayPayドームでは2万人まで入場出来る事となった。ファンの皆さんにとって再びドームに足を運べるのは非常に嬉しい事である。

 ようやく球場に活気が戻りつつあるが、改めて振り返ると今年のプロ野球開幕はいつもと違った。

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 新型コロナウィルスの影響で、例年より遅い6月19日開幕。そして無観客。

 ファンの皆さんもそうだろうが、僕としても球場に、応援にも取材にも行けないのが歯痒かった。

 この状況でも何か自分に出来る事はないのか?

 選手の皆さん、そして同じくもどかしい想いをしているホークスファンの皆さんに、何かエールを送れないか?

 僕は、その時期仕事もろくに無く(普段からそんなに無いけどさらに拍車がかかった)趣味で絵を描き始めていた。

 暇すぎて主に動物の絵を描いていたんだけど、僕はひらめいてしまった。

「ホークス選手の似顔絵を描いてそれをSNSにアップすれば、ホークスファンにも届くし、もしかしたら選手本人にも届くかもしれない! そしたら、ホークスの盛り上げなら一役買えるのではないか?」

 ホークス先発投手の似顔絵を試合前にSNSにアップするという勝手にホークス応援計画を始動させることにしたのだった。

東浜巨 ©時事通信社

似顔絵に対するホークスファンの反応は?

 その時、僕の頭に浮かんだのは書道家の原愛梨さんである。原さんは、選手のフォームにその選手の名前を重ねて書く作風がSNSでとても話題になり、ホークスグッズとして発売もされ、ドーム内で個展まで開かれた。間違いなくホークス選手、ファンを盛り上げた。

 そして、羨ましい。

 僕は勝手に『第2の原愛梨さん』を目指すことにした(原さんは2歳から書道を、僕は絵を描くのは好きだけど未経験者。でも、一緒懸命魂込めて描いているのでお手柔らかに)。

 まずは僕が描いた開幕投手・東浜投手の絵を紹介しよう。

東浜投手

 似てる似てないは一旦置いておいて、僕の絵は、アクリル絵具という画材を使用し、あえて黒目を入れず白目だけ描き、良い事があったら黒目を入れるというダルマスタイルだ。

 そして、選手1人1人がファンを照らしてくれる太陽というイメージで周りは赤く彩っている。絵を習った経験は無いが気持ちを込めて描かせて頂いている。

 開幕戦の東浜投手に始まり、試合毎にその日の先発投手の似顔絵を仕上げていった。

左上「千賀投手」、右上「二保投手」、左下「ムーア投手」、右下「和田投手」

 すると早速ホークスファンからの反応があった。

「怖い!」

「目を入れて!」

「もっとカッコいいです!」(やっぱりそうきたか!)

 ときには「どこか似てる!」「この絵パワーもらえます!」とありがたい言葉ももらえた。

 皆さんからの反応は賛否両論だが何はともあれ反応があるということは、盛り上げに一役買えているのではないか?

 勝手に嬉しかった。

 似顔絵をアップする度に反応がありホークスファンの方からも「グッズにして下さい」とありがたい言葉もあった。

左上「松田選手」、右上「笠谷投手」、左下「栗原選手」、右下「柳田選手」
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