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嫁姑関係や若者の不安……悩みには大きな変化がない
「人生案内」を読んでいて、世の中には本当にいろんな人がいることを実感します。ただ長い間読んでいると、嫁姑の人間関係や若者の未来への不安など、人々が抱えている悩みには大きな変化がなく、高齢化や少子化が進み時代が変わっても、人間はあまり進歩していないと思います。また、功成り名を遂げ、日経新聞の「私の履歴書」にも出てくるような人の多くは、元々こうした悩みを持ち、その壁を自らの意思で乗り越えておられます。
私の「人生案内」の読み方は、ちょっと変わっています。まず読者の悩みを読んで、回答者の答えを読む前に、自分ならどう答えるかを考えてみます。そのうえで回答者の答えと比べて、読者の悩みと向き合うのです。
政治の役割の一つに、人々の幸福への追求を助けることがあると考えています。人々の変わらない営みに、どのように政治が手を差し伸べるか。読者の悩みに寄り添っている「人生案内」は、そうした視点を私に与えてくれます。
(出典:「文藝春秋」2014年10月号)
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「文藝春秋」による菅義偉氏の各記事全文は、「文藝春秋 電子版」にてお読みいただけます。
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