サンドウィッチマンがV3を達成し、「お笑い第7世代」のEXITぺこぱがベスト5入りした2020年の「好きな芸人ベスト100」

 勢いのある若手が順位を上げた一方、明石家さんまは初めてベスト3から転落、テレビで連日見かけるダウンタウン(前回3位→10位)、ウッチャンナンチャン(同14位→41位)らベテラン勢も順位を大きく落とす結果となった。“下剋上”が起きたお笑い界の最新勢力図を、業界に詳しい専門家に分析してもらった。

前回3位から10位へと大きく順位を落としてしまったダウンタウン ©文藝春秋

お笑い界の「世代交代」が始まった

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、今回のランキングを次のように分析する。

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「ランキングを見ると世代交代が始まっていると思います。M-1で知名度を挙げた芸人や『第7世代』の若手芸人が順位を上げましたが、その上の世代の40歳前後の千鳥(7位)、オードリー(17位)らも、MCを務める番組が増えて手堅い人気を得ています。その結果、さらに上の世代のベテラン勢がランキングでしわ寄せを受けました」

 今回のアンケート結果を読み解いていくと、大きく順位を伸ばした芸人に共通した「3つの条件」が見えてくる。

 ひとつ目は「コンビ仲の良さ」。アンケートに寄せられたコメントでは、EXITには「2人の仲良し度・人間性も大好き」(47・女)といった兼近大樹とりんたろー。の関係性を評価する意見が殺到。ぺこぱに対しても「仲良しなのと松陰寺さんがシュウペイちゃんを見て笑っているだけで幸せな時間が流れる」(47・女)というように、芸風より先に「コンビ仲」を評価する声が多く寄せられた。

EXITのりんたろー。(左)と兼近大樹 ©時事通信社

 一昔前までは、芸人のコンビ同士は仲が悪いものだというのが一般的な認識だった。

「現在では仲がいいコンビほど人気が出る傾向があります。そのように見る側がコンビの仲の良さを愛でる文化が広がるきっかけの1つになったのが、おぎやはぎ(44位)が登場したことです。芸人はコンビ仲が悪いものだという従来のイメージを覆して、仲の良さを過剰にアピールするのが新鮮でした。『第7世代』になると芸人自身の価値観が大きく変わり、本人たちが人前で仲良さそうに振る舞うことに抵抗を持っていません。まったく恥ずかしいと思っていないのです」(ラリー遠田氏)