EXIT、フワちゃん…唯一無二のキャラが支持される
そして、3つ目の条件は「唯一無二のキャラ」。ランキング上位の芸人のコメントには、その個性的な存在感を評価する声が並んだ。
EXITの「ネオ渋谷系漫才」、ぺこぱの「突っ込まないツッコミ」、すゑひろがりず(前回圏外から21位)の「狂言」、さらには呼び捨てやタメ口の自由奔放なキャラで人気のフワちゃん(前回圏外から45位)などのコメントには「唯一無二」という言葉が並んだ。
「女性ではフワちゃん、男性ではEXITが人気を集めたのも面白い。いわゆる王道の芸人路線ではなく、目を引く容姿とポジティブキャラという“異物感”が、その他の芸人よりも際立っていたのだと思います。この2組は、お笑いの枠ならニッチの部類。表現を変えれば、YouTube的とも言える。
YouTubeは、料理系、教育系、メイク・ファッション系などニッチなユーザー層をターゲットに絞ることで支持される傾向にあります。そう考えると、YouTube的な芸人の元祖はタモリさん(今回6位)かもしれませんね。『ブラタモリ』(NHK)、『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)などで、毎週ニッチなテーマを取り上げて遊んでいるわけですから。時代にもリンクしている唯一無二のタモリさんのキャラクターは、今後5年単位で見ても一定の支持を集めると思いますよ」(鈴木氏)
若者向け番組の増加も追い風に
若手芸人の追い上げが著しいお笑い界。今後、テレビ業界の構造にも影響するとみられている。前出のラリー遠田氏は語る。
「これまでテレビ局は、少子高齢化で中高年以上の好みが反映されやすかった『世帯視聴率』を頼りにしてきましたが、ここ何年かで、年代や性別ごとに誰が見たか分かる『個人視聴率』を重視するようになりました。その結果、万人受けするクイズ番組、温泉紀行、刑事ドラマばかりだったゴールデン帯にも、最近は若い世代に向けた番組が増えてきました。この流れは今後も加速して、若手芸人が積極的に起用されるでしょう」
メディアも多様化して活躍の場を広げるお笑い芸人たち。来年のランキングはどのように変動するのだろうか。