推しと一緒に、クリスマスの水上運動会へ
ユッケ:本当に助けられているのは、全国で『浪費図鑑』を推してくださる書店員さんたちがいること。
かん:そうそう! 仕事の行き帰りとかに見つけた書店さんに立ち寄ったりしてるんですけど、かなり目立つところに置いてくださっているお店も多くて。
ユッケ:一部の書店さんでは、ジャンルごとの独特の用語やカルチャーを、独断と偏見で解説した「特典ペーパー」も封入させてもらいました。アニメイトさんで配布してもらった「2.5次元舞台ペーパー」は私が作ったんですけど、「バスツアー」の項目は我ながら衝撃的。小越勇輝(おごえゆうき)くんの2016年のバスツアーで、クリスマスに温水プールでの水上運動会をしたというエピソードを紹介しました。
かん:小越くんは、ミュージカル「テニスの王子様2ndシーズン」のリョーマ役の俳優さんだよね。
ユッケ:そう。テニミュで越前リョーマ役を4年も演じ、“プリンス・オブ・テニミュ”と呼ばれた男のバスツアーですよ。クリスマスイヴに北関東かどこかに連れてかれて、夜21時から2時間ほど、小越勇輝と温水プールで水上運動会をするっていうイベントが開かれたことがあったんです。しかもプールの後24時から小越さんによるファンのお部屋訪問があるという。
ひらりさ:ハードスケジュールですね……。推しとプールで運動する機会なんて、普通一生ないよね!?
もぐもぐ:若手俳優がバスツアーを開催するのは普通なの?
ユッケ:水泳大会はなかなかないけど、バスツアー自体はよくやってるよ。でもだいたい牧場に行ってヨーグルトを作ったりするほのぼのイベント。
かん:バスツアーなら、ハロプロもさまざまな伝説がありますよ。今日のテーマ「本当にあった怖い話」にふさわしいエピソードがたくさんあるので、覚悟のある方は「ハロプロ バスツアー 伝説」で検索を……。
ユッケ:値段はピンキリだけど、水上運動会までくると推しへの愛を試されている感覚すらあるよね……! そういう風に、界隈のカルチャーやら味わい深いエピソードをチェックするのも我々の楽しみです。
ひらりさ:書籍の中でも、ミッキーオタの人による「TDLの年間パスポートは実質タダ!」みたいな話とか、声優現場で遭遇した「リアルクラウドファンディング」の話とか、そのジャンルの人じゃないとわからない、聞くと「へえ〜!」と思ってしまうエピソードが盛りだくさんだよね。現場での応援グッズも、うちわとかペンライトとかフラッグとか、ジャンルごとに変わってくるし。もっと色々なジャンルを取り上げたかった!
ユッケ:そういえば、もぐもぐさんがさっき「関西まで日帰り観劇ツアーした」って言ってたのは、なんだったの?
もぐもぐ:宝塚歌劇団の月組公演を、通称「ムラ」……兵庫県の宝塚大劇場まで観に行ったんです。
ユッケ:宝塚って、東京にも劇場あるよね?
もぐもぐ:メインの公演は、宝塚大劇場で上演してから、東京にやってくるの。待ってれば東京でも観られるんだけど、耐えられなくって、仕事の合間を縫ってムラに行くことにしたの。
ユッケ:禁断症状が出たのか。
もぐもぐ:ムラに遠征する時は何か別の用事を入れることが多いのだけど、今回はどうしてもそういう「言い訳」がつけられなくて……。でも、福岡までは日帰り圏内ですよ。飛行機は偉大!
かん:「○○までは近所」って、「V系バンドで浪費する女」も書いてくれてたね(笑)。
ひらりさ:この後ゲストで登場してくれる「EXOで浪費する女」は、推しのために世界各地を回ってますので、その話も楽しみにしましょう。
ユッケ:K-POPオタ、本当にするっと韓国行くよね。かんは、今のところ予定はないの?
かん:うん、家族の許可が下りなくて……。浪費欲を満たすためにセブチグッズを買い漁ったんだけどそれも買い尽くしてしまって、今はサンリオキャラの「シナモロール」グッズを買い漁っています。
ひらりさ:どういうこと……?
かん:Twitterで、女子高生カラット(※)たちが「ジョシュアはシナモンに似てる!」って盛り上がってるの。
※SEVENTEENファンの愛称。
もぐもぐ:最初聞いたとき、「なにそれ」って思った(笑)。
かん:それまでは特にシナモンに興味なかったんですけど、自分に手の届く範囲では一旦セブチへのお金の使い道がなくなってしまって「これからどうしよう……」と思っていたときに、ふとローソンに寄ったら、「シナモロール一番くじ」をやっていたんですよ。「これ、ジョシュアのグッズじゃん!?」って思っちゃって。結局10回くらいクジを引いて、大量のシナモングッズをゲットしましたね。
ユッケ:いい話だね(笑)。
かん:でもユッケさんにこの話をしたら、「そういえば私の推しの那須くんもシナモンに似てる」って言い出したよね?
ユッケ:うん、似てるよ! ドヤ感のある口元が特に。あと、那須くんはメンバーカラーが青なんだけど、シナモンもよく青~水色の服を着ていることが多いので似ている。
でも、今テニミュで跡部景吾役をやっている三浦宏規くんという役者も、シナモンに似てるって言われていて。
ひらりさ:自分の推しがなぜかシナモンに見えてくる病?
かん:「推しナモン」!!!
一同:(笑)
もぐもぐ:我々のグループLINE、いつもこんな話ばかりしてるよね(笑)。
ひらりさ:推しが一人いると、人生の他のことも楽しく見えてくるので素晴らしい!
写真=釜谷洋史/文藝春秋