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「インターネットで言えない」オタク女子の果てしない浪費の実態 #1

『浪費図鑑』を出版した「劇団雌猫」とは?

「消費行動自体をコンテンツとして楽しんでいてすごい」

もぐもぐ:それにしても、勝手気ままに出した同人誌が書籍化して、しかもこんなイベントにまでなってるのは……本当にふしぎだよね。

かん:元となった同人誌「悪友vol.1 浪費」を出したのが2016年12月末で、今こうして書籍化していて……決まったのは3月くらいだったかな? 自分たちのことながらすごいスピード感。普通に仕事もしていたので、6~7月はかなりバタバタしてたよね……(笑)。

 書籍でも触れてますけど、もともとは一介のオタク女4人の「まわりの人のお金の使い方を知りたい!」「それを通じてお隣のあのジャンルについても知りたい!」という好奇心を満たすためのいち同人誌だったんです。でもそれが、本当に多くの方にも楽しんでもらえてるというね。

『浪費図鑑』と「悪友」最新刊のvol.2「恋愛」

ひらりさ:「こんなの浪費じゃない」「お友達どうしのなかよしごっこ」みたいな感想も見かけたんですけれど、そういう方にはぜひ「これが私の浪費!」「浪費じゃないけどこれが私の愛!」みたいなものをきちんと書いていただきたい……。「『浪費図鑑』は、消費行動自体をコンテンツとして楽しんでいてすごい」という感想をいただいたのですが、『浪費図鑑』は私達が2017年のいまの時点でひとつのかたちで出したものに過ぎなくて、私はいろんな人のいろんな考え方や自意識がもっと読みたいです。

ユッケ:同人誌「悪友」ともまたちょっと違うニュアンスのラインナップになってるしね。

 

もぐもぐ:同人誌の方も、今回の書籍も、Twitterやブログで本当にたくさんの感想をいただいて。Togetterにまとめたので、よかったらそちらもご覧ください!

ユッケ:「悪友」ではkamochicさんという方に表紙イラストを描いていただいていて、そちらも毎度素敵なんですけど、書籍化にあたっては別の方に表紙イラストを依頼しました。小学館で『あげくの果てのカノン』という漫画を描いている米代恭さんです。隠れテーマは「オタク女のアビーロード」です(笑)。

かん:みんな胸張って歩いててかっこいい!

ひらりさ:菊地成孔さんが推薦文を寄せてくださった帯と、表紙と裏表紙に10人の女性が路上を闊歩している姿がズラーッと並んでるイラストのバランスが、絶妙になりましたよね。「連載もやっていてお忙しいのに、大量の浪費女を描かせてすみません……」という気分だったんですが、「大丈夫です! 10人までなら描けます!」とありがたい言葉をいただけて。

 

かん:10人の女の子をどういう並びにしようかとか、身長とか髪型とか、いろいろ話し合ったよね。

ひらりさ:それぞれがずばり「何オタク」と厳密に決まってるわけではなく、なんとなくアイドルオタクなんだろうなという人とか、ホストにハマっているっぽい人とか、ヅカっぽい人とか2次元オタクだなって人とか、いろいろいますね。

もぐもぐ:表紙の右から4番目の人は、うちわを持ってるんだけど、これについてTwitterでジャニオタらしき方が、「ジャニーズのコンサートではうちわにモール装飾するのは禁止なのに!」と言及しているのを見かけた(笑)。

 

ユッケ:オタがどんどんうちわを大きくして愛をアピールしようとするから、うちわのサイズが規定されていて、モールも禁止されてるんだよね。

ひらりさ:うちわは求愛表現……! 孔雀とかエリマキトカゲの進化の過程っぽい。

ユッケ:私が中学生くらいのころに導入されたルールなのをよく覚えている。うちわのサイズをはかる器具を使って検査されて、乙女心が傷ついたのを覚えてるよ。でも、ジャニーズ以外だとモールが禁止されていない界隈もあるので、この子はセーフということで……(笑)。

ひらりさ:「こんな身ぎれいにしてるオタク女いねーよ」という感想も見たんですけど(笑)、私個人の解釈としては、浪費している女子たちの、推しやジャンルへのいろんな情熱を含めたあれこれを「擬人化」したイラストなんだよなと思ってます。やっぱり好きなものに熱中している人って、かわいく見えますから。本当に輝いているから。