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2年後に判明した“火事”の真相
当時は報道から、高校生は単なる失火が原因で亡くなったものだと思われていました。しかし、それから2年近く経ってから、なんと亡くなった高校生の友人が逮捕されたのです。
その友人は、当時高校生の自宅に遊びに来て、タバコを吸っていたそうです。しかし、消したと思っていたタバコの火が消えておらず、帰宅した後に燃え広がってしまい、そこに住んでいた高校生が犠牲になってしまった……というのが、火事の真相でした。
逮捕された友人は、重過失致死の罪に問われました。これはめったに聞かない罪名で、このケースで言えば、放火とまではいえないが、極めて落ち度の大きな過失によって人を死に至らしめた、と判断されたことを意味します。
同日に2つの部屋で死体が発見されたマンション
こうしたケースを考えると、「失火による火事だと考えられていたが、数年後に放火殺人事件だったと判明した」「前の住人は自殺で亡くなったと思われていたが、実は殺人事件の被害者だった」といったことも十分に起こりえます。
事故物件の世界においては、火事・自殺・孤独死と、“犯人”が存在する殺人は別のものとして考えられがちですが、実は重なり合う部分も非常に多いのです。
こうした事例でもう一つ、私の記憶に強く残っている事故物件をご紹介しましょう。それは、関西のとある賃貸マンションです。そこは、全く同じ日に、2つの部屋で別々の住人の死体が発見されるという、前代未聞の事態が起きた事故物件なのです。