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ナイル川の「ナイル」とはどういう意味?
答えは「川」でした。
古アラビア語で「ナ」は定冠詞で、英語で言うと「the」。「イル」は川という意味なので、つまり「the river」ということですね。ナイル川はヴィクトリア湖から流れる白ナイルと、エチオピアから流れる青ナイルがスーダンで合流したあとは、大きな支流もないため、名前をつけて区別する必要がなかったからではないかと言われています。
「エジプトはナイルの賜物」とは、ヘロドトスが『歴史』の中で用いた有名な表現ですが、これも原文では「川」としか書かれていないそうです。
世界的にも川の名前は由来をたどると「川」に行き着くことが多く、インドのインダス川、ドイツのドナウ川も、語源は単に「川」です。東南アジアのメコン川にしても、「大きな川」という意味なんです。
また川は「母なるドナウ」のように、女性のイメージと結びつくことが多いのですが、ナイルは珍しく男性で、ナイルの化身であるハピ神は男神なのです。ハピ神は、あふれんばかりの食べ物を載せた供物卓をもった姿であらわされます。