モバイル用のノートPCとデスクトップPC、あるいはWindowsとMacなど、2台以上のパソコンを並べて作業をしている人は、かなり多いのではないでしょうか。複数のPCを同時に使えれば、デスクトップを擬似的に広く使えるのはもちろんのこと、一方に動画編集のようなCPUに負荷がかかる処理をさせている間に別のPCで作業を進めるといった使い方も可能になります。

 もっとも、複数のPCを同時に使うとなると、マウスやキーボードを台数分だけ用意して使い分けなくてはいけないため、操作がわずらわしく感じられてしまいます。また台数分のマウスやキーボードを置くとなると、デスク上が狭くなってしまうという問題もあります。

 こうした場合に便利なのが、ロジクールのマウスなどが対応している「Flow」なる技術です。これを使えば、マウスポインタが2台のPC間を行き来できるようになるなど、2台のPCがまるでつながった1台のPCのように操作できるようになるのです。

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「Flow」は、マウスのユーティリティソフトに含まれる形で提供されており、両方のPCにインストールして使用します ©山口真弘

画面がつながっているかのようにマウスポインタが行き来する!

 「Flow」は、マウスなどを動かすにあたって導入するユーティリティソフトに含まれる形で提供されています。2台のPCにそれぞれインストールしたのち、Bluetoothでマウスを認識させると、Flowがインストールされたもう一方のPCをお互いが自動的に認識し、マウスポインタが行き来できるようになります。あとは2台のPCの配置(左右または上下)と、並び順(配置が左右であれば、どちらが左でどちらが右か)を指定するだけです。

「Flow」は、マウスのユーティリティソフトに含まれる形で提供されており、両方のPCにインストールして使用します
利用にあたっては、2台のPCの配置(左右または上下)と、並び順(配置が左右であれば、どちらが左でどちらが右か)を指定しておけば、マウスポインタが画面の端まで行くと自動的にもう一方のPCに移動するようになります

 実際にどのような動きをするのでしょうか。2台のPCが左右に並んでいる場合、左側のPCでポインタを動かして右端まで来ると、ポインタが右端にくっついたところでピタッと静止し、ちょうどその続きにあたる右側のPCの画面でポインタが動き始めます。画面がつながっているかのように行ったり来たりできますので、デスクトップの領域が広がったかのような感覚で、操作が行えるというわけです。

 またこの「Flow」、驚くべきことに、コピー&ペーストもできてしまいます。一方のPCでコピーしたテキストをもう一方のPCで貼り付けられるほか、ファイル自体のコピーにも対応しますので、使おうとしたファイルがもう一方のPC上にある場合も、USBメモリやネットワーク経由で移動させる手間を掛けずに、続きの作業がすぐに行えるというわけです。

 今回はマウスを中心に紹介しましたが、Flowに対応するキーボードを使えば、1台のキーボードを使って2台のPCで入力作業が行なえます。マウスやキーボードに加えて、この9月からは新たにFlowに対応したトラックボールも発売されるなど、ラインナップは強化の一途を辿っています。複数のPCを操作するのが面倒だと感じている人は、要チェックと言えそうです。

「Flow」対応製品はマウスやキーボードのほか、この9月からは新たにトラックボール(左)もラインナップに加わりました。左は「MX ERGO」、右は「MX Anywhere 2S」 ©山口真弘

◇Logicool Flow - 複数デバイスのコントロールと簡単なファイル共有。
https://www.logicool.co.jp/ja-jp/product/options/page/flow-multi-device-control