草彅剛が身体と心の葛藤を抱えるトランスジェンダーの凪沙を演じた映画『ミッドナイトスワン』が、10月22日に興行収入5億円を突破した。全国151館公開という中規模興行作品ながら、公開3週目半ばで30万人を動員。現在、公開5週目に入っている。

© 2020 Midnight Swan Film Partners

 大ヒットを記念して、期間・数量限定でCHIZUSHOPで発売中の「限定版『ミッドナイトスワン』SPECIAL BOX」の気になる中身を公開する第3弾。

 第1弾の文春オンライン限定公開『ミッドナイトスワン』スピンアウト小説、第2弾の香取慎吾のブランド『JANTJE_ONTEMBAAR(ヤンチェ_オンテンバール)』と『ミッドナイトスワン』とのコラボTシャツに続き、今回の第3弾では『ミッドナイトスワン』脚本完全版より“幻のシーン”のシナリオを特別公開する。

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© 2020 Midnight Swan Film Partners

『ミッドナイトスワン』は、『全裸監督』『下衆の愛』などを手掛けた内田英治監督によるオリジナル脚本。内田監督が執筆した原作小説『ミッドナイトスワン』(文春文庫)には映画にはないサイドストーリーが描かれているが、実は、監督自身は映画にも盛り込むつもりで脚本に書き、実際に撮影もしたものの最終的にカットしたシーンがいくつもあるのだという。

「映画全体のため、編集では様々なシーンを泣く泣くカットしました。そんなシーンを想像しながら、シナリオを読んでみるのも、ひとつの楽しみ方かもしれません」(内田監督)

内田監督 ©文藝春秋 

 今回はそんな“幻のシーン”のひとつ、映画後半で東山瑞貴(田中俊介)のもとを一果(服部樹咲)が訪れるシーン104を公開する。

 ◆ ◆ ◆

「シーン104 瑞貴の事務所・前」

《区議会議員候補 東山みずき 選挙事務所》

 の看板。

 一果が立っていると、区民に挨拶をしながら歩いてくる瑞貴がいた。肩からはタスキをかけている。

 瑞貴「あら! 一果ちゃん。久しぶりね」

 頭を下げる一果。

 瑞貴「すっかり大人になっちゃって」

 一果「瑞貴さんこそ」

 瑞貴「(微笑み)凪沙の居場所ね。はい」

 と住所と地図が入ったメモを渡す。

 瑞貴「ごめん、私すぐに次の演説行かなきゃでさ、それに、凪沙私に会いたがらないから……」

 一果「……ありがとうございます」

 と事務所に入ってゆく瑞貴。

 瑞貴「あ、一果ちゃん……」

 一果「はい?」

 瑞貴「びっくりしないで」

 一果「?」

 瑞貴「凪沙いろいろあって、今生活保護受けてるんだよね」

 一果「……」

凪沙が好んで身に着ける“赤”を表現したSPECIAL BOXの外箱
SPECIAL BOXには凪沙・草彅剛のミニ写真集、映画の完全版脚本、スピンアウト短編小説が1冊にまとまったSPECIAL BOOKが封入

「限定版『ミッドナイトスワン』SPECIAL BOX」は10月26日(月)までの期間限定でCHIZUSHOPで発売中。