「今、取材を受けた人が『記事の内容は、話したことと違う』とネット上で主張できる時代です。取材時に『話したいこと』と『聞きたいこと』で齟齬が避けられないことはありますが、一方の訴えによって“嘘”と断定されてしまう現象が起きているのです」
ジャーナリストの森健さんは、「フェイクニュース」がアメリカにだけ漂うものではない例えとしてそう話す。ではこの時代に、ノンフィクションはどう向き合うべきか。
シンポジウム「フェイクニュース時代のノンフィクション」では、武田徹さん、津田大介さん、そして『小倉昌男 祈りと経営』で大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞した森さんの3人のジャーナリストが、経験を交えながら考えていく。
「フェイクニュースは決して新しい現象ではありません。政府や企業が都合の良い情報を発信する。あるいはメディアが情報に恣意的な角度をつけて伝達する。または受け手が共感できる情報だけを信じる。大別すればこの3つのいずれかで生まれます。これは過去、紙や放送の媒体でもあったことです。誰もが情報を手に入れられる時代だからこそ、皆さんと考える場にしていきたいですね」
シンポジウム「フェイクニュース時代のノンフィクション」
9月29日 新宿・紀伊國屋ホールにて19時開演/入場料1000円
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20170727151840.html