1ページ目から読む
6/6ページ目

ジャニーズを怒らせたNHKホール“舞監室”説教事件

 事ここに至って、「Travis Japan」に対するA女史の言動については、ジャニーズ事務所も問題視しているという。きっかけは、2020年3月16日の収録。A女史が「Travis Japan」を、NHKホールのステージ袖にあり制作陣の控室として使われることが多い“舞台監督室”に呼び出して説教したことだった。

「『番組収録中にふざけてピースなどをしていた』というのが説教の理由だったんですが、現場の進行的にはまったく問題なく、放送を見れば『SixTONES』のメンバーも同じようにはしゃいでいました。

 しかしAさんは『Travis Japan』のメンバーだけを呼び出し、『人気がないのに番組の空気を読まず行動しないで』、『そんなんじゃ、舞台班(CDデビューせず舞台中心に活動するグループ)にしかなれない』、『番組内コーナーに出られないのは面白くないから』など、根拠のない暴言をぶつけたのです。メンバーもさすがに理不尽だと思ったのか、この事件を事務所に伝えて、それが“乗り込み事件”につながりました」(前出・テレビ関係者)

ADVERTISEMENT

“越権行為”についてジャニーズが強く注意

 3月中に、ジャニーズ事務所の人間がわざわざNHKに乗り込んできたという。

「ザ少年倶楽部」の収録が行われているNHKホール。紅白歌合戦でも使われている ⒸAFLO

「ジャニーズ社員の方が苦情を伝えるためにNHKに直接乗り込んできたのです。内容は『何か問題があってもタレントでなくマネジャーに伝えて欲しい』ということで、演出の枠を超えたAさんの“越権行為”を指摘するものでした。これにはさすがのAさんもしょげ返っていました」(同前)

 これらのことについて、事実確認を求めたが、NHKとオフィスホーは「番組の制作過程についての質問にはお答えしておりません」と回答した。

 ジャニーズ事務所にも確認をしたが、期日までに回答はなかった。

 言うまでも無く、NHKは視聴者の受信料で成り立っている公共放送である。だからこそ、「紅白歌合戦」に出場する歌手の選考基準が毎年のように問題になるのだ。規模の大小はあるにせよ、「ザ少年倶楽部」が抱えているのも同様の問題である。制作者側の私物化によって、公共放送のキャスティングに偏りが生じるべきではない。

 そもそも、単一の芸能事務所の所属タレントだけで制作される「ザ少年倶楽部」のような番組が公共放送の制作物として相応しいのか。NHKとジャニーズの“近すぎる関係”については長らく問題視されているが、NHKのキャスティングには、民放とはまったく異なる、高いレベルでの公正性が求められて当然だろう。

 11月6日(金)21時から放送の「文春オンラインTV」では、担当記者が本件について詳しく解説する。