渋谷区が自粛を呼びかけたにもかかわらず、予想以上の多くの若者で混雑したコロナ下の渋谷ハロウィーン──。もっとも、深夜に殴り合いのケンカがあったり、泥酔者が救急搬送されたりしたものの、例年ほど多くのトラブルは起きなかったようだ。

 トラブルが少なかった理由のひとつに、昨年から配置されるようになった民間警備会社の存在がある。

 センター街を奥へと進むほどに数が増えていく警備員は、元自衛隊員や格闘技経験者などで構成された屈強な男性ばかり。渋谷区が委託しているわりに制服の首元からタトゥーをのぞかせたヤンチャそうな警備員も少なくない。

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 そのコワモテの警備員たちが混雑していない路地でも「立ち止まらないで!」「店の前だから移動して!」と、楽しそうにスマホで写真を撮る人々に対して高圧的な態度で大声を出すのだ。そのため、若者たちも騒ぐに騒げなかったのだろうと思われる。

 混雑するスクランブル交差点付近とはまた違った渋谷ハロウィーンの様子を写真でレポートする。(全2回の1回目/後編に続く)

(写真・文=武馬怜子/清談社)

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センター街を進んでいくと、徐々に人が少なくなって

「コロナが怖いからマスク外せないです」と話すメイドコスの女子高生2人組
スクランブル交差点からほど近い一角。このあたりまでは人の数が多かった
 
ゴミ拾いをする女性。道路に投げ捨てられるゴミも例年よりは少ない印象だ
センター街を進んでいくと、徐々に若者の姿が減っていく
さらに奥へと行くと、渋谷ハロウィーンとは思えないうら寂しい雰囲気が漂う