“生身の人間”感が“あざとさ”を超える時代
しかし、女子アナの人気・需要の潮目が今や変わっているのです。
真の“あざとさ”を持ち、かつて栄華を極めた高島彩さんや加藤綾子さんは全盛期に比べると人気は低下。逆に“あざとさ”の才能に恵まれず、不器用に生きてきた田中みな実さんの時代が到来しています。
余談ですが、2018年の『好きな女性アナウンサーランキング』2位、2019年1位のテレ朝・弘中綾香さんも、田中みな実さん同様、“あざとさ”に関しては二流と言えるでしょう。
時代は“あざとさ”一流の高島彩さん・加藤綾子さんには向かい風、“あざとさ”二流の田中みな実さん・弘中綾香さんに追い風が吹いているのです。
10月27日放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)で特集された田中みな実さんは、密着取材中に「求められたことに対して120%で応えたい」と仕事の流儀を語っていました。一方で、自身に対して「特別な才能があるわけでもないからね」、「見飽きたら、もうそこで終了なんですよ。もう消耗品だから」といった諦観も覗かせていたのです。
断言できるのは、田中みな実さんが今、女性を中心に多くの支持を得ているのは、決して「あざといから」ではないということ。
“女”としての生き方はどこか不器用ながら、自分の芯を曲げずに貫き通せる強さを持っていること。これが彼女の人気の所以だと感じるのです。
そつなくなんでも上手にこなし、類まれなセルフブランディング力でいまだに視聴者に隙を見せない“パーフェクト女子アナ”である高島彩さんや加藤綾子さんに対して、田中みな実さんは自身の欠点や弱さをあけすけに見せていました。
“あざとさ”は下手クソながら、さらけ出した“生身の人間”感で多くの女性の共感を得ているのでしょう。