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2020/11/12

“ネガティブ力士”は横綱になれるか?

 思い起こせば、2015年7月の新十両昇進時、報道陣から戦ってみたい相手を問われ、「誰とも当たりたくない」と答えたゆえに“ネガティブ力士”とのキャッチフレーズが付いてしまった。大関昇進時の会見で次の目標を問われると、

「目標を口にすると、プレッシャーに弱いから自分を追い込みそうで。今は(プレッシャーとの)付き合い方もわかってきました。まだまだ(ネガティブな性格の)克服までは行かないですけど。(中略)大関はいろんな責任が伴う地位だと思いますし、なんとか必死に務めていけたら」

秋場所に初優勝を果たした正代

 そう自然体で気負いなく答えていた。入門時から正代を知る、井筒親方(元関脇豊ノ島)は、「開花するのがちょっと遅かったかな(笑)。でも、今はチャンスの時期なんですよ。横綱候補筆頭だと思います。今の正代を見ても、充分に上を狙える」と太鼓判を捺すのだ。そして正代は言う。

「4勝4敗」のライバル

「僕は立ち合いで変化したことがないんです。僕の場合は絶対に変化しないので、安心して見てほしいですね。変化って普通に当たるより難しいんです。ポリシーとかプライドとかじゃなくて難しいからできないだけなんですけどね(笑)。僕は負けても後悔する相撲は取っていないです」

 かたや朝乃山も、

「僕は立ち合いの駆け引きとか、大っ嫌いなんですよ。横に飛んだり変化するくらいなら、もう相撲辞めます」

 そうきっぱりと言い切っていた。

 両者ともに、まずはケガを完治させ、万全の状態で来場所を迎えられるよう稽古に専念し、怒濤の如くのこの1年を経験値として、さらなる高みを目指していくだろう。

 このふたりの幕内対戦成績は「4勝4敗」。今場所、大関同士としての初対戦は両者の休場により“お預け”となってしまった。真っ向勝負の大関の“ライバル物語”は、2021年、新たなスタートを切る。

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出典:文藝春秋12月号

朝乃山VS正代『次の横綱はどっちだ』」は、「文藝春秋」12月号および「文藝春秋digital」に掲載されています。

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