「文藝春秋」11月号の特選記事を公開します。(初公開:2020年10月13日)
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10月1日、「Go To トラベルキャンペーン」に続き、外食産業を支援するための経済対策「Go To Eatキャンペーン」が開始された。
コロナの自粛で傷んだ経済をどのように修復させ、成長させていくのか――。国内では「感染防止対策と経済活動の両立をいかにおこなうか」について、議論が高まっている。
「文藝春秋」11月号では、菅義偉政権のブレーンである竹中平蔵氏がインタビューに応じ、短期的に取り組むべき経済対策、ポストコロナを見据えて長期的に取り組むべき課題について語った。
東京の“歪み”の正体
竹中氏が、今後解決すべき課題の一つとして挙げたのが、東京の“歪み”だ。
「政府は感染拡大が始まった当初、企業に自粛要請をおこなう一方、企業支援策については消極的な姿勢でした。そのような政府の態度に対して国民の不満が高まる中で、小池百合子東京都知事は先回りするかのように、都独自の経済政策を次々と実行して注目を浴びました。例えば、感染防止のため休業要請や営業時間短縮要請に従った事業者に給付する『感染拡大防止協力金』。5月の発表では、その総額は1920億円にものぼりました。
東京都は全国の地方自治体の中でも、群を抜いて税収が多く、資産も持っています。私は和歌山県で生まれ育ちましたが、和歌山と東京ではあらゆるものの規模が全然違います。『地方自治法』という一つの法律の中で両者を同列に扱うのはどう考えても無理がある。これは私の昔からの持論です。このままでは、他の自治体との格差が広がるばかりです」
では、東京という都市をどう位置づけるべきなのか。