清原和博氏も参加する“自助グループ”
昨年5月、高知は仲間とともに依存症を克服のための自助グループを立ち上げる。
自助グループでは月に1、2度集まって約1時間のミーティングを行い、自分の経験や思っていることを率直に語り合うという。元プロ野球選手の清原和博など、数人の著名人も参加するが、口外禁止のルールが厳格に設けられている。
高知が自助グループの効用を語る。
「経験者の声を直に聴くことで、俺だけじゃなかったんだという共感を覚えます。あと気づかされたのは、自分がこれまで間違った知識や憶測ばかりため込み、いかにつまらないことを悩んでいたかということ。周りの人間が示す愛情や親切が時に回復を妨げることにも気付けました」
環境と考え方を変えてほしい
高知は、改めて次のように呼びかける。
「山口さんには、この著名人の自助グループに加わって、一緒に依存症からの回復を目指して欲しい。山口さんの周囲にもサポートする人はいると思います。でも再びアルコール絡みの事件が起きてしまった。同じ過ちを繰り返さないためにも、環境と考え方を一度、変えてみませんかと言いたい。
僕は経験者の仲間と交流を深めることで、残りの人生が楽しみだと思えるようになった。山口さんにも依存症を克服して希望が持てる人生を送って欲しい」
この取材が行なわれたのは羽田空港近くのホテルだ。高知は依存症の啓発イベントに登壇するため、全国各地を飛び回っているという。
◆
月刊「文藝春秋」11月号および「文藝春秋 電子版」では、高知のロングインタビュー「山口達也さん、一緒に依存症を克服しよう」を掲載。高知は、自身が起こした薬物事件の顛末、母親の自殺など壮絶な生い立ちを振り返り、現在の依存症への取り組みを詳細に語っている。
山口達也さん、一緒に依存症を克服しよう