文春オンライン

妻にカツラがバレて「背信行為」で逮捕へ…薄毛が引き起こした悲劇7選

2020/12/13
note

美容師に提案された“金髪ソフトモヒカン”

 そして、生え際の後退を機に長年通っている美容院との決別を考えているのが、富澤太一さん(仮名・38歳・IT関連)だ。

「父親がハゲているので、10代の頃から覚悟していました。髪の毛があるうちに遊んでおこうと思って、20代はずっとロン毛。ロン毛は頭皮に負担がかかるから、さらに進行を早めたようで、落ち武者みたいになってしまったんです。そこで、美容師のお姉さんに相談しました」

 担当美容師は、富澤さんの薄毛タイプについて“額から頭頂部に向かってハゲていく後退型”と分析。協議の結果、たどり着いたのが、金髪ソフトモヒカンのベリーショートスタイルだったという。

ADVERTISEMENT

「ソフトモヒカンなら薄毛をカバーできるし、金髪にすれば地肌も目立たない、とのことでした。8年間そのスタイルにしていましたが、もう誤魔化しきれなくなっています。美容師さんは長年僕の薄毛の相談に乗ってくれていたので、主治医のような存在。その人を裏切って坊主にしようか、それとも現状維持でモヤモヤし続けるか、半年くらい悩んでいます……」

 富澤さんは、人生の転換期を迎えているようだ。

©iStock.com

風呂場で初めて見た友人の姿に衝撃――

 薄毛に強いコンプレックスを抱えている人に対して、周りの人は“いたたまれなさ”を感じることがある。鈴木尚樹さん(仮名・45歳・広告)は、友人のたゆまぬ努力を目の当たりにした、と話す。

「仕事を通じて知り合ったデザイナーのHは、メガネをかけて常にハンチング帽子を被っているキャラクターを確立していました。そんな折、3年ほど前にHを含めたサウナ好きな友人数名でサウナに行くことになりました。脱衣所で服を脱いでいると、ツルツルにハゲた見知らぬおじさんが話しかけてきて面食らっていたら、なんとHだったんです」

 髪型はその人の印象を大きく左右する。Hさんの真の姿に衝撃を受けた鈴木さんは、さすがに髪の話を振ることはできず、サウナの中でも必死で動揺を隠したという。