2020年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。シェア部門の第3位は、こちら!(初公開日 2020年5月12日)。

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《あまりに不自然である。黒川氏の定年延長ありきで恣意的に法解釈を変更したと疑われても仕方があるまい。》

 これは2月24日の産経新聞の社説「【主張】検事長の定年延長 『解釈変更』根拠の説明を」だ。あの産経師匠も政府の対応に驚いていたのだ。

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黒川弘務東京高検検事長 ©共同通信社

 本来のルールなら、2月8日に63歳の誕生日を迎えた黒川弘務東京高検検事長は「定年」で「退官」するはずだった。しかし安倍内閣は1月31日の閣議決定で、黒川氏の定年延長を決めたのだ。そこからすべての騒動が始まった。

 近年、これほど誕生日が注目されたおっさんを私は知らない。

読売が解説した政権との「近さ」

 では黒川氏の定年が延長される意味とは? 2月21日の読売新聞に「解説」が載っていた。

《政府関係者によると、次期検事総長の人選は、昨年末から官邸と法務省との間で水面下で進められた。同省から複数の候補者が提案されたが、安倍首相と菅官房長官は黒川氏が望ましいとの意向を示したという。》

 なんと……。黒川氏についてよく「官邸に近いとされる」という表現があるがハッキリと「近い」のだ。政権と「密」なのである。黒川氏の定年が延長されることで次期検事総長への道が開けた。これぞゴリ押しである。

 安倍晋三首相と菅義偉官房長官 ©ロイター/AFLO

 ちなみに黒川氏の誕生日についてネットで調べてみたら、2月8日生まれは「冒険的な水瓶座です」とあった。

《チャレンジする事に魅力を感じます。「不可能」が「可能」となった時に、大きな快感を覚えるでしょう。》(無料星座占い.com)

 ああ、すごいぞ! 不可能を可能にする男・黒川。この占いが本当なら今まさに大きな快感を得ているに違いない。