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2021/01/03

genre : ニュース, 社会

歌舞伎町スカウト狩りの背景にある対立構造

 歌舞伎町のスカウト狩りは、スカウトグループの旧「ナチュラル」が別のスカウトグループの敏腕スカウトを強引に引き抜いたことに端を発していた。ナチュラルの“ケツ持ち”をしていたのが加藤連合会傘下の賢総業で、引き抜かれた側の“ケツ持ち”が同会傘下の聡仁組だった。

眠らない街、新宿・歌舞伎町で起きた「スカウト狩り」 ©iStock

「引き抜かれた側のグループに泣きつかれた聡仁組が賢総業と話を付け、旧ナチュラルにスカウトの引き抜きをやめさせようとしましたが、ナチュラルの連中が突っぱねたため、聡仁組+賢総業vs.旧ナチュラルの構図が生まれ、組員たちが手当たり次第にスカウト狩りを始めたことから、見た目で違いが分かりづらいホストらにも被害が広がったのです」(同前)

 横浜市の病院前で遺体が見つかったのは聡仁組の日比野翔組員。つまり、稲川会山川一家とトラブルを起こしていたのも聡仁組だったというわけだ。

湘南でずっと続いている稲川会と聡仁組関係者の激しい対立

「稲川会は本部を東京・六本木に置いていますが、創業家の稲川家本家が静岡・熱海にあった関係で神奈川県内に大きな地盤があります。2代目会長は横須賀一家の石井進氏で、主要施設である稲川会館は横浜市都筑区にあります。神奈川県川崎市に本部を置く山川一家は稲川会の前会長の清田次郎総裁と内堀和也現会長の出身母体です。

 特定抗争指定暴力団山口組、住吉会に次ぐ規模の稲川会にあって、最も有力な2次団体です。山口組でいうところの、司忍組長とナンバー2の高山清司若頭の出身母体である弘道会のような存在です。しかも弘道会の竹内照明会長と内堀総長は兄弟盃を交わしている間柄です。その山川一家に4次団体ながら噛みつくわけですから、聡仁組には警視庁だけでなく、神奈川県警も手を焼いているようです。

六代目山口組の司忍組長 ©時事通信社

 実は聡仁組の土屋研二組長は湘南の出身で、湘南地域に不良時代からの仲間や弟分が多くいることから、神奈川を地盤とする稲川会と以前からことあるごとにもめ事を起こしてきているのです。大きな転機は2009年7月にさかのぼります。神奈川県平塚市の稲川会系組事務所で住吉会系組幹部らが拳銃を発砲し、稲川会系組関係者を射殺していますが、これは直前に住吉会系の若い組員が稲川会系組幹部らに拉致されたことへの報復でした。これを契機に、湘南地域では稲川会と聡仁組関係者の激しい対立がずっと続いているのです」(同前)