「お金配りおじさん」を始めたワケ
ここ最近、前澤氏は、「お金配りおじさん」と自ら称し、ツイッターを駆使し自分のお金を配ってきた。2019年1月、お年玉で100万円を100人に配った(計1億円)のを皮切りに、2020年のお年玉では100万円を1000人に配ったり(計10億円)、ひとり親や夫婦を対象にした基金を立ち上げた。また2020年の7月からは毎日10万円を10人に配り続けている。こうした「お金配り」に込めた想いについてこう語る。
「この『お金配り』には本当に様々な意見が寄せられます。『下品だ』というお叱りの声、また『経済的に困っているから』参加する人。そして『なんとなく面白そう』『新しい寄付の形』ととらえる人もいれば、『バカが応募している』などと参加者まで叩く容赦ない声まであります。
どうして批判を受けてまでお金を配るのかと聞かれることもあります。最大の理由は、僕がいま手にしているお金は自分1人で稼いだものではないからです。いろんな方々に協力していただき、たまたま今、僕が持っているだけ。そんな思いが強い。だから社会にどんどん還元し、恩返ししないとダメだと思うんです。その手段のひとつが『お金配り』です。多くの人が事業や勉強、生活など、新しいことを始めるきっかけになればいいと思っています」
「お金を自分の手元に滞留させてもいいことがない」
3.5億円の高級外車や、数百万円の高級ワインなど、大金を使い続ける意図についても明かしている。
「僕は大金を使う際、誰にどう還元できるか、恩返しできるのか、誰かを応援してみたいという視点で考えています。そうじゃなきゃ自分で運転しないのに1台3億5000万円のスーパーカーなんて買わない(笑)。パガーニ・ゾンダZOZOというイタリア車で、生産終了したモデルを特別にカスタムしてもらい世界に1台しかありません。車工場で実際にものづくりに携わる方から、技術や夢について話を聞くと、その人たちの情熱を誰かが継承しなくてはいけないと思うのです。たまたま経済的に恵まれ、お金を持っている人がそれをやらなくてどうするんだという気持ちが生まれます。
ただ、こういうお金の使い方が皆さんに理解されないのもわかっています。『そんなこと言っても金があるから買えるんだろう』で終わってしまう。それでも僕はお金を自分の手元に滞留させてもいいことがないと思っています」
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1月9日発売の「文藝春秋」2月号 および「文藝春秋 電子版」では、前澤氏が大金を使い続ける理由や、人生を決定づけたという高校時代の2つの体験、そして幼少期から培ってきたという「お金の哲学」などについて12ページにわたって明かしている。
僕の「お金の哲学」を語ろう