「ブクロ最高ぉ!」

 TOKIO・長瀬智也さんが2000年に主演したドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)は、カラフルなモザイクのような印象で、一言で言うと“鮮烈”でした。

 東京の池袋西口公園を舞台に、援交ギャルの殺害事件やカラーギャング同士の抗争を描いた原作小説をもとに、連続ドラマデビュー作だった脚本家・宮藤官九郎さんがバイオレンスありギャグありで、“2000年の池袋のリアル”を見事に切り取っていました。

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 その『IWGP』で主人公・マコトを演じ、若者たちからカリスマ的に支持された長瀬智也さんは42歳となり、そして今年3月末にはジャニーズ事務所を退所予定です。4月以降は表舞台から退き、クリエイターとして裏方の仕事をしていくと言われているので、長瀬智也さんと同学年の筆者には感慨深いものがあります。

主演最終作『俺の家の話』が放送開始

『俺の家の話』(TBS・番組HPより)

 そんな長瀬智也さんが芸能界への置き土産として、主演最終作に選んだのが宮藤官九郎さん脚本の『俺の家の話』(TBS系/2021年1月22日~)。

 プロレスラー観山寿一(長瀬智也)が能楽の人間国宝である父を介護するために引退し、家族をまとめていくという異色のホームコメディで、双方の出世作となった『IWGP』タッグで有終の美を飾ろうとしています。

 そこで今回は長瀬智也×宮藤官九郎タッグ作品を振り返りつつ、この二人のシナジーが生み出したものとはなんだったのかを、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの筆者が考察していきたいと思います。

長瀬智也の新たな一面を開拓した『IWGP』

 長瀬智也×宮藤官九郎タッグの原点である『IWGP』は、長瀬智也さんの新たな一面が開拓されたドラマだったと言えます。元不良で池袋の“顔”のようになっていたマコトは、それまでの長瀬智也さんのイメージ通りのワイルドイケメンです。そんなマコトに、脚本家・宮藤官九郎さんはバイオレンスやギャグの味を添えました。長瀬さんは、この宮藤脚本を自分のものにすることで、コントのようなギャグシーンも演じられることを世に知らしめたのです。