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Appleは2030年までにゼロカーボンを目指す

  近年では、脱炭素をなかば強制的に推し進める企業もある。たとえばAppleは、2030年までにすべての製品をゼロカーボン(実質的な二酸化炭素排出量がゼロ)で作ることを目標に掲げる。ゼロカーボンで作るとは、製造エネルギー源が100%再生可能でない取引先を自社のサプライチェーンから排除するということだ。

再エネへの期待が高まる

〈日本企業は世界中の企業と取引をしています。今後Appleのような企業が増えていった時にゼロカーボンに対応できていなければ取引先をどんどん失うことになるということが、このAppleの一件からも容易に想像がつくわけです〉

 年に一度スイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、世界全体が2030年までにSDGsを達成した場合の経済効果が12兆ドルにのぼると算出された。3.8億人という雇用の創出も見込め、旧来型の経済政策などと比べ、かなり大規模であることがわかる。

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 脱炭素を実現することで、世界的な環境重視の流れに乗ると同時に、経済効果を見込む日本政府。SDGsへの取り組みはまだ始まったばかりだ。

出典:「文藝春秋」2月号

 内閣官房参与として熊谷氏が菅首相に進言したこと、日本の商人が大事にしてきた価値観に通じる「SDGs」解説など、「いまなぜ脱炭素なのか」をわかりやすく解説した熊谷亮丸氏の「『脱炭素』こそポスト新自由主義の本命だ」全文は、「文藝春秋」2月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されている。

文藝春秋

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「脱炭素」こそポスト新自由主義の本命だ