「NHKから自国民を守る党」党首の立花孝志被告(53)の刑事裁判が1月18日、東京地裁で始まった。

 東京地検に起訴された罪名は3つで、(1)N国党を脱退した中央区議への脅迫罪、(2)NHKの営業秘密を不正に入手した不正競争防止法違反罪、(3)入手した情報でNHKの業務遂行に支障を生じさせた威力業務妨害罪だ。

立花孝志 ©AFLO

「政治家としての正当業務行為だった」と無罪を主張

 YouTubeの炎上商法でのし上がってきた立花被告は民事訴訟の経験も豊富だが、これまで敗戦続き。初の刑事裁判では3つの罪のいずれも無罪を訴えた。立花被告はいずれも事実関係を認めた上で「政治家としての正当業務行為だった」と主張している。

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 脅迫罪の被害者は、2019年6月にN国党を脱退した東京都中央区の二瓶文徳区議だ。立花被告はこれまで、再三にわたって二瓶区議への脅迫行為に及んだ。

 ショートメールで《今からお前が議員辞めるまで徹底的にYouTubeで叩き続けるから覚悟しておけよ!》と送ったり、YouTubeの動画で「俺、この子のお母さんも彼女も知ってますよ。徹底的にこいつの人生、僕が潰しに行きますからね」などと発言したりしている。

NHKから自国民を守る会公式インスタグラムより

 しかし立花被告は「身体や自由に関して危害を加えるつもりはなかった」とした上で、「二瓶氏の裏切り行為を明らかにして、政治責任を問うていくことを表明しただけだ」と主張しているのだ。

「個人情報ばらまきますよ」

 不正競争防止法違反(営業秘密領得)と威力業務妨害罪は、NHKの視聴者の情報を炎上商法に用いた一連の事件だ。

 起訴状によると、同年9月、NHKの集金業務を委託された会社の従業員だった共犯者(昨年12月に同法違反罪で有罪判決)が端末に表示した視聴者の氏名、住所などを立花被告が動画撮影し不正に入手。同年11月にはNHK前で拡声器で「個人情報ばらまきますよ」などと声を張り上げ、「会長と話したい」などとNHK法務部幹部に電話をした。