――これまで解かれた作品でもっとも長いものは何手詰でしたか。
斎藤 最近、といっても4~5年前ですが、「涛龍」(井上徹也氏作、849手詰)を解きました。解けてうれしく、盤上にも並べましたね。
ゲーム、スポーツ……詰将棋以外の息抜きは?
――フェアリールール(変則詰将棋)についてはどうお考えですか。
斎藤 詰将棋が息抜きなら、息抜きの息抜きですね。まったく勉強にはなりませんが、脳を刺激しています。クイズを解いているような気持ちです。
――詰将棋以外に息抜きとしてやることなどありますか。
斎藤 何もやらないですね。しいて言えば去年くらいにボードゲームを面白いと思ったのですが、これは人がいないとできないので続かないんです。
――ゲームつながりですが、TVゲームはどのくらい?
斎藤 まったくやらなかったということはありません。小学1~4年の頃にはやっていました。ですが奨励会に入ったころに、親戚の子どもに全部あげました。むしろ今やりたいですね(笑)。
――スポーツなどは?
斎藤 やるのは壊滅的にダメですが、見るのは好きです。特に野球が好きですね。どのチームを応援するというのではなく、特定の選手を見るのが楽しくて、各チームに何人かひいきがいます。昨年末にニコニコ動画で放映された球王戦(渡辺明名人、久保利明九段、室谷由紀女流三段が、巨人の丸佳浩選手、中日の平田良介選手、ロッテの安田尚憲選手、阪神の齋藤友貴哉選手とともに出演した将棋と野球のコラボ番組)はうらやましかったです(笑)。
これまで結婚が将棋にプラスになるイメージがなかった
――もうちょっと、プライベートの斎藤さんに迫りたいと思います。先日、関西の先輩である稲葉陽八段の結婚が発表されましたが、ご自身の結婚観については?
斎藤 これまで結婚が将棋にプラスになるイメージがなく、独身でなあなあでもいいのかなと。結婚してかつトップクラスで活躍している同世代あるいは少し上の先輩が稲葉さんまで少なかったということもありますが、また変わってくるのかもしれません。
――なお、もうすぐバレンタインですが。
斎藤 いただけることは多いですね。ありがたいです。
――斎藤さんがデビューされた当時と比較して、女性の将棋ファンが増えたという実感はありますか。
斎藤 棋士が参加するイベントなどでも、これまでは男女の比率が9対1、多くて8対2だったのが、最近は6対4くらいになっているのかとは思います。イベントによっては比率が逆転していることもあるらしいですね。演目についても女性に興味を持ってもらえるものを増やそうという動きもあります。女性ファンが増えた理由はハッキリとはわかっていませんが、将棋そのものに対するイメージが変わってきたと言えそうです。