10月27日~30日に開催された「福島県土湯温泉でワーケーションモニターツアー」の初日に私は基調講演を行い、「ワーケーションしたい場所・環境」の条件を左のように提案した。先述した過去の体験をもとにまとめたものだ。
●解放的な気持ちになれる眺めがいい場所
●リラックスできるいい香りがする
●健康的な気分になれる自然光が射す
●疲れすぎない温泉入浴ができる
●毎晩よく眠れる環境
●電源とWi-Fi完備
●コピー機等事務機器があるとベスト
●「仕事棟」と「寛ぎ棟」がある(オンとオフが分けられること)
参加者の9割が、東京都在住の出版社勤務、学生、福島市在住の公務員、占い師など女性だった。
国立公園の女沼でサップやカヤックを体験したりしながら、各自仕事をするという旅程。「電源とWi-Fiがあれば、温泉地でも仕事できるね。そこに美味しいスイーツがあれば最高」などと言い合う女性参加者の表情を見ていると、ワーケーションが定着するには、そもそも旅好きが多い女性たちに、居心地のいい空間を用意できるかどうかがポイントだと感じた。
脳科学者の茂木健一郎さんが以前、こう話していた。
「お風呂に入ると感覚遮断の状態になる。要するに、外からの刺激に注意を向けなくてもいい状態になると、脳のデフォルト・モード・ネットワークが活動し始めてメンテナンスをするんです。この時に、気になっていたものの処理できなかったことを整理できます」
リラックスできるから、仕事がはかどる。すなわち温泉とワーケーションは最良の組み合わせと言える。