ソフトバンクの本音
世間では、NTTドコモの「ahamo」やKDDIの「povo」などが注目を浴びている。ソフトバンクでも「SoftBank on LINE」というオンライン専用ブランドで20GBを2980円で提供予定だ。
しかし、キャリアとしては、あまり儲からない2980円のプランにユーザーが集中してもらっても困る。
ソフトバンクとしては5Gを契機に「無制限プランユーザーを増やしたい」というのが本音だろう。2万円程度のコストパフォーマンスのいいスマホを1円で買ってもらい5Gユーザーを増やしつつ、6580円の無制限プランを契約する人を拡大することで、政府の圧力による値下げで被る収入減から一日でも早く回復したいという狙いがありそうだ。
シャオミとしても世界では3位のシェアを誇るが、日本での知名度はほとんどない。ソフトバンクとタッグを組むことで、トランプ元大統領の対中政策によって日本でもシェアを落としたファーウェイの後釜に座るつもりだ。
「25万円プロ向けスマホ」を投入したソニー
シャオミが1円5Gスマホで勝負を挑む一方、25万円という高額な5Gスマホを投入するのがソニーだ。
「Xperia PRO」は税抜き22万7091円(ソニー・オンラインストア)、税込み24万9800円で2月10日に発売となる。
なぜ、25万円もするのか。Xperia PROはHDMI入力端子を備え、外部の映像をスマホの画面に表示させることが可能だ。
ソニーとしては、このXperia PROをスマートフォンの主力機種として売る気はない。プロの映像作家や写真のカメラマンに対して「携帯性に優れた通信内蔵ディスプレイ」として売り込もうとしているのだ。
ソニーの高級デジカメ「α」を接続し、撮影した被写体を、6.5インチのディスプレイに表示。被写体にピントが合っているか、タッチパネルで画像を拡大して確認することができる。撮影した画像データは、その場でXperia PROの通信機能でサーバーに送信できる。Xperia PROは5G対応だが、ミリ波という超高速で送れる周波数帯にも対応。スタジアムなど、ミリ波が整備されている取材現場から、直接、送信できるというわけだ。
プロ野球の試合をベンチ横から撮影するカメラマンが、プレスルームに戻ることなく、直接、パソコンなども使わず、編集部に納品できる。芸能人や政治家のスクープ写真を狙うカメラマンも、締め切りに余裕を持って入稿できるようになる。