昨年3月にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクでスタートした5G(第5世代移動通信システム)。コロナ禍で盛り上がりに欠けているが、秋に発売されたiPhone 12が5Gに対応するなど、ようやく普及の兆しが見え始めている。
スペック的に申し分ない「5G対応1円スマホ」
そんななか、ついに「1円」の5Gスマートフォンが登場する。中国発のメーカーであるシャオミがソフトバンクと組んで「Redmi Note 9T」という機種を実質1円で発売するのだ。
当然1円と言っても端末に対して割引が適用された金額となる。ここ最近、総務省の意向により、スマートフォンの販売に対して、大幅な割引が規制されている。総務省としては「スマートフォンの販売に何万円もの割引を適用するぐらいなら、その原資を通信料金の割引に使え」というスタンスを貫いてきた。
とはいえ、全く割引ができなくなると在庫処分に困ってしまう。そこで、総務省は「上限2万円までの割引は許す」としている。
そのルールをうまいこと利用したのが、シャオミとソフトバンクだった。「上限2万円まで割引OK」ならば、Redmi Note 9Tの価格を税抜き1万9637円にしてしまったのだ。これで晴れて2万円近い割引を適用し、「1円」で売ることが可能となった(ただし、ソフトバンクの無制限プランへの加入が条件となる)。
本体価格が2万円以下といっても、Redmi Note 9Tは4800万画素のメインカメラなどカメラ機能も充実し、日本特有の機能である「おサイフケータイ」にも対応するなど、スペック的には申し分ない。
ソフトバンクがシャオミと組んで1円の5Gスマホを投入する背景には、やはり「5Gを普及させたい」という狙いがある。
ソフトバンクの菅野圭吾氏は「Redmi Note 9Tをソフトバンクブランドとしての戦略的な端末と位置づけている。5Gネットワークを大容量プランで使ってもらいたい」と語る。