1ページ目から読む
3/3ページ目

 そして日本と比べた中国での人気の特徴は、女性ファンが多いことだ。中国でのファンミーティングには女性ファンが数多く駆けつけ、その1人が誕生日間近と知った石川がその場で自分のスマホケースをプレゼントしたこともあり、その飾らなさ、気さくさが中国人女性たちの心をつかんでいる。

2005年、11歳のあどけない姿 ©AFLO

存在感は現役の中でいまだダントツ

「近年の石川は大会で伊藤や平野の後塵を拝することも多くなってきていたのは事実です。全日本で4年間優勝できていなかったのもその表れ。国際大会でのインパクトも伊藤らの方が上でした。

 ただ、日本の女子卓球界の“母”である福原愛の『最大のライバル』であり『最高の相棒』でもあった石川の存在感はいまも健在です。小学生時代から『ポスト福原』として注目され、中学3年の時に世界選手権の日本代表に選ばれたのも史上最年少でした。福原と一緒に取ったオリンピックの女子団体の2つのメダルも彼女を特別な存在にしています。年齢は確かに重ねていますたが、世界ランク一桁ですから、衰えたというわけでもありません。

ADVERTISEMENT

 若い才能は次々に出てきているので徐々に押されていくのは必然でしょうが、伊藤や平野が石川クラスの存在感を発揮するようになるにはまだまだ時間がかかるでしょうね」(前出・スポーツ紙記者)

リオ五輪でメダルを誇らしげに 左から福原愛、石川佳純、伊藤美誠 ©JMPA

「アスリートっぽくない」そして「おとなしくて気遣いができる」という男性ウケに加えて、女性が応援したくなる身近さ、クールさも持ち合わせる石川。

 福原愛が「国民の娘」だとすれば、石川佳純はいわば「国民の妹」。最後のオリンピックになると見られる東京オリンピックの開催は不透明なままだが、もう一度彼女が日の丸を背負う姿を見たいものである。