1ページ目から読む
3/4ページ目

優秀な後輩はライバルではなく味方。協業できれば最強

晴美 確かに、経理部で培った数字感覚が人事部で役立って他人の大きなミスに気付けたことが何度かあります。いろいろな経験を積んでいることが「自分の強み」と言っていいんでしょうか。私にはなんにもないと思っていたけれど……意外にあるのかな。

紫乃ママ 大企業に長くいる人は、複数の部署を転々としていて「自分は専門性がない」と言う人が多いんだけど、「専門性がない」ことはむしろ売りにもできる。複数の部署で失敗も含めたいろんな経験を積んでいること自体が財産でもあるの。若い子は知識があっても「経験の幅」は少ない。その後輩は、意外に失敗には弱いかもしれないよ。

晴美 彼女はたぶん失敗したことがないと思います。過ちを失敗にしないようにコミュニケーション力でカバーしている面もありますが。

ADVERTISEMENT

※写真はイメージです ©iStock.com

紫乃ママ 「私、失敗しないので」って、「ドクターX」の米倉涼子かよ(笑)。失敗も「経験の幅」の1つだからね。そういう優秀な若い子には、仕事をどんどん振ってやってもらう。「○○さん、すごい!」と、褒めてどんどんやってもらえばいい。でも、交渉とか社内調整とか経験がものをいう面倒なところは晴美さんが手伝ってあげる。社内の人間関係だってあなたのほうがよく知っているわけだし。「先輩やっぱりすごい!」、「こういうのは私に任せといて」ってうまく協業ができれば最高よね。

晴美 確かに、社内事情や社内の仕組みは私のほうが詳しいから、後輩の力になれそうです。

紫乃ママ 私たちの世代が若い後輩女子をライバル視するのは本当に無駄。彼女たちの力になってあげて味方につけられるほうが絶対に得になる。「無敵とは敵がいないこと」なんだからさ。比べて悲観したり、自分を卑下するんじゃなくて、サポートしてあげながらどんどん任せればいいから。

 むしろ私は、男性のほうが「年齢」でマウンティングしたがる人が多いなあって感じる。1歳でも年上だっていうだけで「俺のほうが偉い」と信じている。いや、信じたいのよね。でも、「年齢と体重は記号」っていうのが私の持論。リスペクトできる人は年上だろうと年下だろうと関係ないよね。大事なのは魂の成長レベルだと思う。私もよくイケてる若い子に会って「うわっこの子、魂年齢1万26歳だわ」と思うことあるよ。