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「この2年間で、与田監督の熱血漢なところは感じられました。昨年の試合を見ていると、与田監督は本当に勝ちたいんだなという気持ちを感じ取れましたよ。だから昨年後半も頑張って“勝つ野球”に努めていたのでしょう。僕は昨今の野球を見ていると、全体的に勝負へのこだわりが薄れてきているように感じるんですよ。勝負事なんだから勝たなきゃいけないのが当たり前。昨年はやり方はともかく、最後は勝ちにこだわった。久しぶりにシーズンの終盤まで楽しいと感じられました。今年はこれまでの経験を活かして、しっかり腰を据えて、これはと思った選手を起用して勝つことに貪欲でいてほしいですね」

 そんな鈴木さんにとっての、これはと思った選手は? 

「石垣雅海には興味ありますね。今年はどんな成績を残すのか楽しみです。あとは石川昂弥。去年も見てましたけど、今年はどんどん伸びるんじゃないかな。新聞(東京中日スポーツ)にも去年とモノが違うと書いてある。そうしたら期待しますよ。ほかの若い選手にも、シーズンが始まったらどんどん出てきてほしいですね」

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ジブリパークとドラゴンズによる夢のコラボが実現!?

 今年のドラゴンズはどうなりそうか、鈴木さんの考えを聞くと、ちょっとの間だけ思案して、次のように話してくれた。

「落合監督1年目のキャンプ中に、知り合いの球団関係者の方から『鈴木さん、本当に優勝するかもしれない』って連絡をもらったんです。チームがとても明るく楽しい雰囲気だったそうで。もちろん厳しい部分もあったようだけど、人間はリラックスして物事に臨んだほうが力を発揮できるし、結果的にうまくいっている。肩に力を入れて歯を食いしばってやってもうまくいかないんです。はたして今年のキャンプの映像を見ていると、昨年8年ぶりにAクラスになったこと、若い選手が多いことから、明るく、いい雰囲気でやっていますよね。好成績を期待したいです」

 ところで、2022年秋には名古屋市の隣の長久手市に、スタジオジブリ作品の世界が体感できるテーマパーク「ジブリパーク」の開業が控えている。ジブリパークとドラゴンズという名古屋や東海地方を象徴するもの同士、なにかコラボレーションができると面白そうですねと水を向けると

「一緒に名古屋や愛知を盛り上げたい気持ちはありますよ。ドラゴンズが優勝して、ジブリパークも開業して、そうして一緒に盛り上げていけたらいいですね」

 と、コラボ実現に向けてまんざらでもないようだ。これまでアニメ作品だけでなく、作品に関連した展覧会なども幅広くプロデュースしてきた鈴木さん。バンテリンドーム ナゴヤやジブリパークを舞台に、ドラゴンズファンだけでなく多くの人々が、ドラゴンズもスタジオジブリのキャラクターたちも愛することができるようなイベントを開催してくれることだろう。

 思い出は朗らかに語り、近年の状況については厳しい表情を見せながらも、あふれるドラゴンズ愛をもって大いに語ってくれた鈴木さん。ぜひドラゴンズが10年ぶりの優勝を成し遂げ、名古屋の街がドラゴンズ&ジブリパークで盛り上がる姿を見てみたい。

構成/水野二千翔(高円寺工房)

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