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「対人恐怖症だ」と訪問を拒絶

「碇の自宅に家庭訪問すると、なぜか赤堀が家にいて抗議して追い返した。2019年11月、翔士郎ちゃんが通う幼稚園や兄2人が通う学校からも、行政サイドへ問い合わせがあった。『子供たちの体重減少が気になるが、母親と連絡が取りにくくなっている』との情報を受け、町や児相などが碇の家庭を“見守り対象”にした。それでも(関係機関の)担当者が碇宅を訪ねると、赤堀が碇の代わりに対応し、『母親(碇)は対人恐怖症だ』などと言って、面会を拒否することもあった。

 週に数回パンなど食事を与えていたが、翔士郎ちゃんが亡くなる直前には碇本人も『食べるものがなく醤油を薄めて飲んだり味噌をなめていた』と供述している」(同前)

 こうした行政の動きに対し、2020年1月、赤堀は碇に指示し、翔士郎ちゃんを幼稚園から退園させた。

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福岡県篠栗町と福岡児童相談所が開いた記者会見(3月3日)©共同通信社

「その頃、地域住民から『虐待の疑いがある』との情報を得た福岡県警粕屋署が碇宅を訪問したが、子供らに虐待の形跡は認められなかった。一方で、2020年3月5日には児童相談所に『子供を残して外出するなど心理的虐待や育児放棄の疑いがある』と通告していた」(同前)

 20年3月には碇容疑者の親族が2度、児童相談所を訪れ、「子供と会えておらず、心配だ」として、安否確認を求めていた。だが、危険度が高いとは判断せず、家庭訪問をするなどの対応は取らなかったという。

 3月7日(日)21時から放送の「文春オンラインTV」では、現地で取材を担当する記者が裏話をふくめて生解説します。

「文春オンライン」では、本事件について情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式」ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。

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