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2021/03/29

 12年前に『セカンドチャンス!』ができたときは、当事者支援団体ってなかったんですよ。その団体の影響力っていうのは、この10年余りですごくあったんじゃないかな。

(※『セカンドチャンス!』…少年院出院者同士が経験や将来の希望をわかちあい、仲間として共に成長していくことを目的としたNPO法人)

法改正で少年院を出た後でも先生に電話を掛けられるように

――具体的にどう変わったんでしょうか。

中村 平成27年に66年ぶりの法改正があって、少年院を出た後でも少年院の先生に電話を掛けられるようになったんです。今までは退院したら先生を含めた少年院出身者とは接触を取ってはいけなくて、このことはなかったことにして生きていきなさいみたいな教えでした。

 でも、少年院出身者同士だから共有できる痛みもあるし、プラスになることも多いんじゃないかという発想になってきた。そういった考えは以前の少年院側にはなく、我々がいくら説いても認めてもらえませんでした。

 ただ、そのなかでも「実は俺もそう思ってたんだ」と賛同してくださる先生もいて。そういった先生たちが出世したりして、今に至るいい変化をもたらす後押しをしてくれたんじゃないかと思います。子供たちにとって、何か困ったことがあったときに、お世話になった先生を頼ることができるのは心の支えになりますからね。

(※写真はイメージ) ©️iStock.com

――社会で少年を支援する保護司や更生保護団体の負担も増えていきそうですね。

中村 そうなんです。支援者って大変なんですよ。24時間365日、仕事をしているようなもの。彼らももちろん人間ですから、子供たちと冷静に接することができないときもあります。

 子供側だけじゃなく、支援する側の負担がかかりすぎないように、勉強会を開いたり、現場の状況を把握したりして、どういうことが必要なのか、彼らが追い詰められない現場作りのために国が動いてくれているんです。私としても、彼らも大変なんだっていうのは多くの人に伝えたいなと思っています。

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