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なぜV6は「デビュー日=解散日」を選んだ? メンバー発言から見えた“大人のアイドル”の引き際

2021/03/14
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トニセンの活動は継続、カミセンは……

 解散発表の中に、トニセンは今後も活動を継続するとあった。3人の付き合いは昭和から始まり、既に30年以上の戦友同士である。少年隊カラーを継承するジャニーズらしい頼もしさ、妖艶さを備え、歌やダンスも光る。MC、ナレーター、料理、俳優とマルチに活躍できる3人である。個人的にもトニセンの活動は残してほしかったから、この発表は嬉しかった。

 個人活動をする三宅さん、岡田さんもジャニーズ事務所に残るということで、今後も後輩たちとの絡みが期待できる。事務所を退所する森田さんは舞台に専念するということだが、2014年に上演された「夜中に犬に起こった奇妙な事件」の頃から、私もその才能の底知れなさを強く感じていた。

 私の語彙力では伝えきれないが、役としてそこに生きる姿は、彼のもうひとつの顔がアイドルだとは思えないほどで、すっかり魅了された私はその舞台を5回も観劇した。

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2018年に発売された49枚目のシングル「Crazy Rays / KEEP GOING」(avex trax)

これからのV6に願うこと

 それぞれの場所で活躍する6人は、25周年を記念してKREVAさんが作詞作曲した「クリア」という楽曲を、昨年の配信ライブで披露していた。その中にこんな歌詞がある。

開き直ったりしない 開くのは可能性への扉 姿変えても無くならないよ誇りは この先の未来が見たい わかり始めた まだ誰も知らない自分も出せるから

 背中合わせにより近く椅子を並べて、円形になってこの曲を歌う姿に、解散を前にした6人の決意が現れていたと、今なら断言できる。

 V6が25周年に際して作ったハッシュタグは「#今がいちばんであること」だった。2021年11月1日、V6としてのピリオドを打つその終点までに見える景色が「今がいちばんであること」――そして、その後の彼らの人生が未来永劫幸せであることを、心からの感謝と共に願っている。

なぜV6は「デビュー日=解散日」を選んだ? メンバー発言から見えた“大人のアイドル”の引き際

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